用語としてのPLM (Product Lifecycle Management = 製品ライフサイクルマネージメント) は、cPDm (コラボレーティブ製品定義マネージメント) のほぼ20年間の市場と技術的な発展の後に出現しました。80年中頃から90年代の初めには、製品に関連した情報、特にエンジニアリング情報を何と呼ぶべきかに関して混乱もありました。製品データとして一般に参照すべきものがデータであったため、用語として製品データマネージメント (PDM - Product Data Management) が出現しました。ユーザとソリューションプロバイダーの両者はPDMを歓迎し、長年用語として使用しました。実際、PDMはPLMの重要な一つの基礎コンポーネントとして残っています。90年代末、人々が製品ライフサイクルやコラボレーションを検討し始め、市場に於いて新たな流行語 (PDM、cPDm、CPCなど) が混乱を起こしていました。これらの用語は (機能面では) オーバーラップしており、複数の意味を持ち合わせていました。PLMは製品ライフサイクル全体の製品に関連した知的資産や情報の生成、マネージメントと利用のためのビジネスアプローチを描くために用いる言葉 (用語) として出現しました。
PLMは用語以上に多くの発展をしています。図に描かれているように、PLMが表わすものには継続的な発展がありました。古のカスタムインプリメンテーションは、まずエンジニアリングデザインデータに関わる部分に特化したアプリケーションに重点を置きました。1980年後半の焦点は、エンジニアリング部門の管理者へのソリューションに限定したエンジニアリング図面を如何にマネージメントするかでした。
カスタムインプリメンテーションがいくつかの典型的な機能を自動化したツールキットへと、また様々な一般的なアプリケーションに発展しました。ソリューションプロバイダーが異なる業界に於ける各社のツールの実装経験が深まるとともに、それら産物が特定の分野でのビジネスアプリケーションの提供へと発展しました。これらアプリケーションは、標準データモデル、予め定義されたワークフローテンプレート、そして固有なビジネス領域の問題解決に必要な機能を提供しました。今日、焦点はあらゆる (Top to Bottom Line) 課題に取り組む完全なるビジネスソリューションとなっています。これらのソリューションは事実上の業界標準に向けて、ソリューションプロバイダーの持つビジネスプロセスを、ユーザー側で実装可能にするためのベストプラクティスを組込んでいます。この発展はそれらソリューションを購入する管理者レベルだけの変化ではなく、これらの投資、またより重要なことにはそれを駆り立てている課題が変化したことであり、またソリューションを得て実装する方法も変化したことにあります。
この発展の過程に於いて、『製品ライフサイクル』の見方ないし定義も更に変化しています。80年代半ば、ツールがCADデータマネージメントに集中したように、『ライフサイクル』はデザインエンジニアリング活動に集中していました。80年後半には、その展望が、例えば異なる設計活動間の情報とプロセスを共有するために製品ライフサイクルを横断するワークフローとプロセスを取り込むための拡大が始まりました。
近年、組織がPDMや初期のPLMに投資をした際、当該投資担当者は典型的に中間レベルの管理者、時にはIT、エンジニアリング、生産あるいは他の機能グループの上級管理者でした。範囲の拡大や企業間への拡大 (Extended Enterprise) の影響は、今日のPLMソリューションがエンタープライズソリューションとなり、業績 (Business Performance) 改善の戦略として見られています。戦略的なビジネス投資の決定は、その大きさに関わらずCIO、CTO、CFOおよびCEOなど、所謂C-レベルマネージメントにより検討され承認されています。代表的なビジネスユニットや機能グループ (例えば、設計や製造など) の上級副社長のように、関連の取締役も関係しています。上級管理者に置いては、それらの投資が特定領域のビジネスの問題を解決し、様々な機会の改善、社の組織内での以前からの投資の利用などにもフォーカスする必要があります。
PLMが今エンタープライズソリューションとして出現し、プロダクト情報および運用をマネージメントする種々のエンタープライズソリューションの中にどのように適合するかの理解が重要であります
(2013.5.10 改)