ビジネスの遂行のために探すことが困難な製品情報や誤った意志決定を引き起すような、例えばすでに有効期限を過ぎた製品情報では成功は得られません。そのためにコレボーティブなデータマネージメント機能は不可欠です。コラボレーティブ製品定義マネージメント (collaborative Product Definition management:cPDm) のコンセプトのポイントは、協業あるいはサプライチェーンの中にある企業間を横断するプロダクト定義のライフサイクルをマネージメントすることにあります。
cPDmのコンセプトは、製品の発展・展開過程 (ライフサイクル全般) を示す三つのライフサイクルの至るところですべての製品定義情報をコラボレーティブに共有することです。
一番目のライフサイクル、製品定義 (製品の定義=知的な製品) は企業の製品定義を表現する知的財産の生成、コミュニケーション、コントールに責任をもつアクティビティにフォーカスします。このライフサイクルの中で取り扱うものは要件、デザイン/設計、仕様書、技術計算書、解析情報、変更に関する情報、その他の製品定義データとなります。
二番目のライフサイク、製造プロセス (製品の生産=物理的な製品) は、企業の生産活動の遂行に必要な資源、技術、スケジュールを中心にコントロールされる主要なデータを基に生産のライフサイクルを通してマネージメンチされます。
三番目のライフサイクル、運用の支援 (=資源) はビジネスの運用面です。要員、資産、会計、その他基本的データについての情報が運用ライフサイクルを通して取り扱われます。
記述のように分離したライフサイクルではあるものの、実体はそれらが互いに緊密にインテグレーションされる必要があります。それらライフサイクルの間の調和、コミュニケーション、そしてコラボレーションの必要性は特に重要なものになります。
cPDmは企業間で運用するデータとプロセスについて、マネージメントとコントロールを行う環境と技術を提供するものです。このフレームワークの中で、諸々の技術がビジネス環境の中に存在するプロダクトの知識 (Product Knowledge) を改善する能力を提供します。ワークフローやビジネスプロセスが情報流通を行なう論理的なチャネルを提供します。
コラボレーション・ツールは製品のドキュメンテーションをマネージメントしたり、ファイルマネージメントの複雑な部分を取り扱ったり、データボールトへのユーザーのアクセスをコントールするためにcPDmの機能を使用します。レビューのようなコラボレーションタスクはcPDm環境の中のワークフローの機能を使用して計画や実行が可能です。コラボレーションセッションの中で、様々決定を行なったことについてのポインター、コメント、注釈、変更、そしてそれら理由などは、cPDm環境により最良のマネージメントがなされます。セッションの履歴を残すためのcPDmの使用はどうだったか、どのように考えデザインを行ったか、製造をしたか、そして改善についてそれら全体の記録&履歴を可能にします。
コラボレーションセッションを通しての3Dモデル内のアセンブリーや部品の変更は多くのケースにおいて、製品定義の変更を指すもので、cPDm環境のコンフィグレーションマネージメント機能との強固な組合せを必要とします。cPDmでマネージしている製品構成とコラボレーティブなレビューによるCADデータへの変更プロセスをインテグレーションすることで、製品の品質の改善や開発期間の短縮が得られます。cPDmによりマネージメントされるリンクや紐付けは、製品の構成、変更通知、設計仕様書、その他サポートドキュメンテーションの間のナビゲーションを可能にします。これらの機能は、コラボレーションセッションの間に提起された変更の影響を明確にする際、非常に貴重なものであります。問題への解決策が明確になったならば、適切な変更の通知を行なったり、正式な実装行為を準備するためにcPDmを使用出来ます。
cPDmの能力は企業の知的資産のマネージメントや開発についてコラボレーティブに決定を行う環境を提供することです。コラボレーションセッションで使用されるデータは、業務の中で使用している固有な、また複数の製品定義アプリケーションから作成されたものであったり、または下請け、サプライヤ、外部の関係者からのものであります。多くの企業は社の製品情報をマネージするためにPDMシステムを導入して来ました。コラボレーションのソリューションは、それら既存のPDMシステムとのインテグレーションが重要となります。
(2018.11.16 改)