2025.10.9：SAPとGoogle Cloud、ゼロコピーデータ連携でエンタープライズAIのあり方を刷新

Ansys SimAIは、エンジニアが製品の設計・製造全体にわたって、機械、熱、化学といった物理ベースの挙動を迅速に予測できるよう支援

（本リリースは、10月6日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です） 

SAP SE（NYSE: SAP）とGoogle Cloudは、米国ラスベガスで開催された「SAP Connect」において、新たに「SAP(R) Business Data Cloud Connect for Google BigQuery（SAP BDC Connect for BigQuery）」を発表し、長年にわたるデータおよびアナリティクス分野でのパートナーシップをさらに拡大しました。この新ソリューションにより、SAP(R) Business Data Cloud（SAP BDC）に格納された基幹業務データを、双方向かつゼロコピー方式のデータ共有によって、よりシンプルかつ効率的に利用できるようになります。

SAPとGoogleは、エージェント機能を備えた自律型のデータからAIへのプラットフォームGoogle BigQueryとSAP BDCを連携させることで、あらゆる規模の企業が信頼性の高い業務データにすぐにアクセスし、AIやエンタープライズアナリティクスに活用できる環境を提供します。

企業の業務データとアナリティクスは長年にわたり別々のシステムに分断され、従来のETL（抽出・変換・ロード）処理では、データの複製が生まれやすく、管理が複雑化するうえに、更新が遅れて最新性を失いやすいという課題がありました。その結果、企業はリアルタイムなインサイトを得にくくなり、デジタル変革の推進を妨げる要因となっていました。

SAPとGoogleのパートナーシップは、こうした制約を解消します。両社はデータ複製を不要にし、データランドスケープを統合することで、企業が信頼性の高いリアルタイムデータに基づいて、インテリジェントエージェントの開発やワークフローの自動化、予測分析などを迅速に実現できるよう支援します。

Google Cloudは、SAP BDC Connectを採用した初のハイパースケーラーとなります。SAP BDC Connect for Google BigQueryにより、企業はSAPが提供する高い意味情報とガバナンスを備えたデータプロダクトに、安全かつ高速にアクセスできるようになります。これにより、データの複製やETLパイプラインを必要とする従来の手間や遅延を解消し、データとアプリケーションの真の価値を引き出すことが可能になります。さらに、SAPデータとBigQuery上の他のエンタープライズデータを柔軟に組み合わせることで、先進的なアナリティクスやエージェント型AIの活用を加速できます。

SAP SE CEOのクリスチャン・クライン（Christian Klein）は次のように述べています。「SAPとGoogle Cloudは、長年にわたりグローバル企業がデータとAIの力を活用することを支援してきました。Google BigQueryとSAP Business Data Cloudを組み合わせることで、妥協のない選択肢をお客様に提供し、分析やAIの取り組みをより迅速に進められるようにします」

Google Cloud CEOのトマス・キュリアン氏（Thomas Kurian）は次のように述べています。「企業は今、あらゆる業務領域にインテリジェンスと自動化を組み込もうとしています。SAP Business Data CloudをBigQueryおよびGeminiモデルと統合することで、データのサイロを解消し、次世代のAIエージェントやアプリケーションの開発を支える統合データ基盤を容易に構築できるようになります」

SAPデータプロダクトとGoogle BigQueryによるイノベーション

今回のパートナーシップの中核となるのが、SAP BDC Connect for BigQueryです。本ソリューションは、ゼロコピー構造のデータファブリックとして、SAP BDCが持つ豊富な意味情報を備えた業務データを、Googleの強力なデータおよびAIエコシステム（GeminiモデルやVertex AIプラットフォームを含む）とシームレスに連携します。これにより、データ・アナリティクス・AIを統合したモダンな基盤を構築し、部門横断的なビジネスプロセスの自動化を可能にします。

この双方向の統合により、AIの導入と成長を支える信頼性と拡張性を備えた企業基盤を提供します。

SAP BDC Connect for BigQueryによって、企業は次のような価値を得られます。

• 信頼性の高いAIの構築
  Google BigQuery上のAIモデルやエージェントは、SAPの信頼性の高い意味情報付きデータにリアルタイムでアクセスし、常に最新かつ完全なビジネスデータを基に動作します。
• 自律型エージェントの展開
  Google CloudのVertex AIとGeminiを活用し、サプライチェーン最適化から財務予測まで、複雑な業務プロセスを自動化するインテリジェントエージェントを構築・運用。
• より深いインサイトの獲得
  SAP BDCのデータを、Google Cloud限定の世界規模データセット（Google マップの地理空間データ、Googleトレンド、公開データなど）と組み合わせ、より深いビジネスインサイトを引き出します。
• アナリティクスの再創造
  ダッシュボードやレポートの枠を超え、誰もが自然言語でビジネスデータに質問し、瞬時にインテリジェントな回答を得られる環境を提供します。

Google Cloudは、両社の共同ソリューションの導入を加速するため、顧客およびパートナー向けのインセンティブプログラムを提供します。これにより、AIを組み込んだデータ変革への移行をスピーディに進められます。

SAP BDCは、すでにアジア太平洋地域、欧州、米国のGoogle Cloudリージョンで提供中で、今後さらに地域を拡大する予定です。また、SAP BDC for Google BigQueryは、2026年上半期の一般提供開始を予定しています。

さらに、SAP BDCを通じて提供されるSAP BWプライベートクラウド版は、すでに世界40以上のGoogle Cloudリージョンでサポートされており、データ所在地やコンプライアンスなど、企業の重要要件への対応を支援しています。

以上

SAPについて

SAP（NYSE:SAP）は、エンタープライズアプリケーションとビジネスAIのグローバルリーダーとして、ビジネスとテクノロジーの融合を推進しています。50年以上にわたり企業と共に歩み、進化を続け、財務、調達、人事、サプライチェーン、カスタマーエクスペリエンスなどのビジネスクリティカルな業務を統合し、お客様のビジネスを成功へと導く支援をしています。詳細は、こちらからご覧ください。www.sap.com

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