UEL株式会社(以下 UEL)は、3DAデータのエンジニアリングツール「3DAviewmeister (スリーディーエー・ビューマイスター) 」の新バージョンV4.0を、本日から販売開始します。3DAviewmeisterは、3DA モデル(注 1)の閲覧機能に、計測、注記などの機能を加えた3DA可視化ツールです。設計工程の情報であるCAD(注 2)の3D幾何情報に加えて、PMI(注3)、レイヤー、グループを保持します。さらに設計後工程の情報である NCデータ(注4)や計測データ、解析データなども重ねて表示することができ、従来の図面作業から3Dモデルを使ったデジタル生産を支援します。UELは、今後も市場動向や顧客の声を製品に反映させ、3DAviewmeisterの機能強化・改善を行い、製造業におけるDXを支援します。

製造現場では、ハードウエアやソフトウエアの性能向上に伴い、CADを活用した3次元設計が普及してきました。最近では、製造業のDXが活発になり、エンジニアリング全体に、デジタルデータの活用が広がっています。これに伴い、 3Dデータに寸法や注記、公差(許容差)、属性などの PMI を付加した3DAデータを流通させ、自動化などの効率改善に取り組むケースが増えてきました。また自動車や電気精密業界では、業界共通の3DA運用ルールを作成する活動が始まっています。「3DAviewmeister」は3DAモデルにさまざまな工程で定義される付帯情報を併せて可視化することにより、3D正(3Dデータを正としたプロセス改善)を支援し、MBD(注 5)化を行うエンジニアリングツールです。
提供開始する「3DAviewmeister V4.0」では、表示やビューイングの高速化や操作性改善を行い、基本性能を向上させました。また、デジタル検図や加工、組付けなどの工程で3DAデータの活用を拡大するための機能も充実させました。さらに、デスクトップ版に加えてWebブラウザー上で稼働するHTML5ベースのWeb版を開発しSaaSサービスとして提供します。このWeb版はタブレットのWebブラウザーでも稼働可能です。

「3DAviewmeister V4.0」で強化した主な機能は、以下の 6 点です。

  1. 表示操作および効率の改善
    3DAデータの表示効率を向上させ、 同時にビューイングの反応も改善しました。 また、 図形の選択や位置の指定の操作性を改善し、入力が容易になりました。さらに、ビュー中心の移動や、2点ズームなどのビューイング操作も改善し、可視化および操作性の向上を図りました。
図1 大物金型の表示
  1. CADmeisterデータ連携強化
    CADmeister(注 6)で定義された副座標系が取り込めるようになり、副座標系を基準にした座標値表示が可能になりました。また、VIEWに属さない PMI(3D 注記)を取り込むことも可能になりました。3D風船や高さ寸法なども、取り込むことができます。
図2 3D 注記の表示
  1. 爆発図機能
    爆発図を表示して 3Dモデルの構成パーツの組み付け状態を確認できるようになりました。さらに、移動・回転機能においてハンドル指示が可能になり、操作が容易になりました。これらの機能を活用し、モデルを移動・回転させながらデジタルモックアップによる組み付けの検証が行えます。
図3 移動 ・ 回転機能のハンドル指示
図 4 爆発図表示
  1. NC表示関連改善
    NCデータの表示効率を改善し、それに併せてビューイングの反応を高速化しました。また、加工基準としてCADmeisterで定義した副座標系の指示が可能になりました。これにより3DCAM形状データとNCデータの位置合わせが容易になります。さらに、NC データ表示機能ではCADmeisterで作成した加工指示書に記載されている NC データが一括指示できるようになり、大量の NC データの操作が簡略化できます。
図5 大量のNC データ表示
  1. 肉厚表示機能
    指示した位置の肉厚を計測し、結果を注記として表示可能できるようになりました。 鋳物や樹脂製品などの検査に活用できます。
図6 肉厚計測
  1. Web 版 (SaaS) 正式リリース
    V3.0 で評価版としていた Web 版(SaaS サービス)を正式に提供開始します。
    3DAviewmeister BASE データや計測データを表示可能にします。また、Office365との連携を図り、Office データへのプラグインが可能です。
図7 Web 版(SaaS)

「3DAviewmeister」販売において、今後2年間で160ライセンスの出荷を見込んでいます。

以 上

注1:3DA モデル(3D Annotated Model:3 次元製品情報付加モデル)
3 次元 CAD で作成した 3D モデルに、構造特性(寸法・注記・数量など)を加えたデータです。必要に応じて、モデル管理情報(モデル名、業務名/工事名、施設名、作成年月日など)や2次元図面情報が追加されます。これらのデジタル情報の総称を「3DA モデルおよび 3DAデータ」と呼びます。
注2:CAD(Computer Aided Design:コンピューター支援設計)
コンピューターを用いて設計すること、またはコンピューターによる設計支援ツールのことです。製品の形状、その他の属性データからなるモデルを、コンピューターの内部に作成し、解析・処理することによって設計を進めます。
注3:PMI(Product Manufacturing Information:製品製造情報)
3Dデータに付加される製品製造情報のことです。
注4:NCデータ(Numerical Control データ:数値制御データ)
NC 工作機械を制御するためのデータのこと。
注5:MBD(Model Based Definition:モデルベース定義)
製品の定義に必要なデータすべてを効率的に含めて 3D モデルを作成する手法です。モデルベース定義を活用すると、従来の図面での作業から Dモデルを使った完全なデジタル生産に移行できます。3Dモデルを信頼できる唯一の情報源とすることで、製品チームは貴重な時間を節約できるようになります。
注 6:CADmeister(キャドマイスター)
UELにて開発・販売・サポートを行っている国産唯一の 3 次元統合 CAD/CAM システムです。

■関連 URL

「3DAviewmeister」 https://www.biprogy-uel.co.jp/3DAviewmeister/

※3DAviewmeisterは、UEL株式会社の登録商標です。
※その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
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