2026.5.13:SAP、自律型エンタープライズを発表
統合されたSAP(R) Business AI Platformを発表、Anthropic、Amazon Web Services、
Google Cloud、Microsoft、NVIDIA、Palantirとのパートナーシップを深化
(本リリースは、5月12日に弊社本社発表文の抄訳です)
SAP SE(NYSE: SAP)は「SAP Sapphire 2026」において、世界で最も重要なビジネス・ワーク・フローを強化するための自律型エンタープライズ(Autonomous Enterprise)を発表しました。これにより、人間とAIが協働し、加速するグローバルビジネスの要求に対して、収益性・戦略性・安全性を確保しながら応えられるよう支援します。
SAP SEのCEO、Christian Kleinは次のように述べています。「当社のお客様のミッションクリティカルなプロセスにおいては、『ほぼ正しい』では十分ではありません。SAP(R) Business AI PlatformとSAP(R) Autonomous Suiteを統合することで、AIエージェントをビジネスプロセス、データ、ガバナンスに組み込み、正確で、コンプライアンスに準拠し、セキュアな成果を提供できるようにします。これにより、新たな収益源の確保と、意味のあるコスト削減を実現します」
自律型エンタープライズには、エージェントの構築、文脈化およびガバナンスを行う統合AIプラットフォームと、コアとなる業務オペレーションを実行する自律型スイート、そして人々がエンタープライズソフトウェアとどのように仕事をするかを再定義する新しいユーザーエクスペリエンスが含まれます。
SAP Business AI Platformの発表
SAP Business AI Platformは、実際のビジネスコンテキストに基づいたエンタープライズAIを構築・展開するための新しい基盤です。SAP Business AI Platform は、SAP(R) Business Technology Platform(SAP BTP)、SAP(R) Business Data Cloud(SAP BDC)、SAP(R) Business AIを単一のガバナンスされた環境に統合します。
中核となるのはSAP(R) Knowledge Graphソリューションであり、お客様のSAPランドスケープ全体にわたるビジネスエンティティ、プロセス、関係性の構造化されたマップをAIエージェントに提供します。Joule Studioは、エンタープライズエージェント、アプリケーション、エージェント型ワークフローを構築するためのAIを前提に設計されたソリューションです。開発者は、ノーコード、プロコード、および選択したAIフレームワークを用いて、セキュアでスケーラブルかつエンタープライズAI向けに最適化されたSAP管理のインフラ上で構築できます。
あらゆる業務領域・業界にSAP Autonomous Suiteを展開
この基盤の上に、SAPは新たにSAP Autonomous Suiteを発表しました。これは、SAPの既存ビジネスアプリケーションに、プロセス全体をエンド・ツー・エンドで自律的に実行できるAIエージェント機能を提供するものです。
このスイートでは、財務、サプライチェーン、調達、人材管理(HCM)、カスタマーエクスペリエンス(CX)などの領域において、50を超える業務特化型のJoule Assistantを展開します。これらのアシスタントは、200を超える専門エージェント群の一部をオーケストレーションしながら、個別タスクを実行し、エンド・ツー・エンドの業務プロセスを自動化します。
例えば、新しいAutonomous Close Assistantは、仕訳入力、照合作業、エラー解決をプロセス全体で自動化することで、数週間かかっていた決算業務を数日へと短縮できます。
SAPはまた、「Industry AI」を発表し、業界特化型ポートフォリオをさらに拡充しました。これは、開始から完了までの業界プロセスを実現し、業種固有のプロセスロジック、データモデル、規制要件を組み込んだ、7つの自律型ソリューションによって構成されています。
SAP Sapphireでは、SAPが欧州のエネルギー大手RWEと連携し、Industry AIを活用して洋上風力タービンの予期せぬ停止時間の削減を支援している事例が紹介されました。
SAPのAutonomous Asset Managementシナリオでは、AIエージェントが数千件に及ぶ過去の障害データを分析し、原因として最も可能性の高い要因を特定します。そのうえで、適切なツールや、他拠点で実証済みの修復方法を含む作業指示書を自動生成します。
自律型ユーザーエクスペリエンスの設計
SAPはまた、Joule Workを発表し、ユーザーによるSAPソフトウェアとの関わり方を刷新しました。従来のように個別アプリケーションを操作し、複数画面にまたがってデータ入力を行うのではなく、今後ユーザーは主にJouleを通じて操作を行うようになります。
ユーザーが実現したい業務成果を伝えるだけで、Jouleが適切なワークフロー、データ、AIエージェントの組み合わせをオーケストレーションします。
Joule Workは単なる対話機能にとどまらず、関連するインサイトを能動的に提示し、定型業務をバックグラウンドで自動化することで、ユーザーが直接操作していない間も業務を前進させます。また、SAPシステムだけでなく非SAPシステムにも対応し、デスクトップ、モバイル、音声インターフェースを通じて利用可能になります。
1億ユーロの投資により、自律化に向けたお客様の移行を加速
SAPは、企業の自律型エンタープライズへの移行を加速するため、顧客およびパートナープログラムを強化しました。導入を促進するため、SAPはSAP製AIアシスタントおよびエージェントの導入を支援するSAPパートナー向けに、1億ユーロのファンドを立ち上げました。このファンドは、新しいSAP Business AI Platform上で、Joule Studioを活用してパートナー独自のエージェントを拡張・開発するパートナーも活用できます。
SAPは、AI導入を加速するために、RISE with SAPおよびSAP® GROWの提供内容を強化しました。両オファリングには、Joule Assistantのポートフォリオへのアクセスが含まれています。RISE with SAPのお客様は初年度に3つのアシスタントが有効化され、SAP GROWのお客様は導入時にポートフォリオ全体へのアクセスを取得できます。SAP S/4HANA(R)オンプレミスおよびSAP(R) ERP Central Component(SAP ECC)のお客様にも対応します。現在のシステム環境の大部分をSAP(R) Cloud ERPへ移行することをコミットするお客様は、特定のAIシナリオを利用でき、現行環境とクラウド移行先とのギャップを埋めることができます。
SAPはさらに、AIエージェント主導の変革を支援する新たなツールも発表しました。これにより、システム分析、コード修正、設定、テストを大規模に自動化し、ERP移行に必要な作業を35%以上削減できる可能性があり、より迅速で予測可能なプロジェクトの実現を支援します。
戦略的パートナーシップ
最後に、SAPは各カテゴリにわたる一連の戦略的パートナーシップを発表しました。プラットフォームおよびスイート領域のパートナーシップには以下のものがあります。
- Anthropicと提携し、同社のClaudeをSAPのAIプラットフォームが活用する基盤モデルの一つとして採用し、
人事、調達、サプライチェーン領域におけるJouleエージェントを強化します。 - Amazon Web Servicesとは、SAP Business Data CloudとAmazon Athena間でゼロコピーによるデータ統合を実現します。
- Google CloudおよびMicrosoftとは、Jouleと外部エージェントフレームワーク間で、
双方向のエージェント連携(agent-to-agent interoperability)を可能にします。 - Mistral AIとCohereは、SAPのクラウドインフラ上で利用可能なソブリンモデルの選択肢を提供します。
- n8nは、Joule Studio内で視覚的なAIワークフローオーケストレーション機能を提供します。
- NVIDIAのOpenShellは、Joule Studioにおける安全で信頼性の高いランタイム環境を提供します。
- また、Parloaは、SAP(R) Service CloudにAIエージェントを統合し、業務データやサービスプロセスに
完全アクセスした上で顧客対応を実行できるようにします。
また、導入領域のパートナーシップには、複雑なデータ移行シナリオで協業するPalantirおよびAccenture、ならびにAIを活用したクラウドERP移行を支援するConductが含まれます。
Sapphire 2026の発表内容の詳細については、イノベーションニュースガイドをご参照ください。
以上
SAPについて
SAP(NYSE:SAP)は、エンタープライズアプリケーションとビジネスAIのグローバルリーダーとして、ビジネスとテクノロジーの融合を推進しています。50年以上にわたり企業と共に歩み、進化を続け、財務、調達、人事、サプライチェーン、カスタマーエクスペリエンスなどのビジネスクリティカルな業務を統合し、お客様のビジネスを成功へと導く支援をしています。詳細は、こちらからご覧ください。www.sap.com
この文書には、将来の事象に関する予測、見通し、その他の将来予想についての記述が含まれています。これらの記述は現在の期待値、予測、仮定に基づいており、実際の結果や成果が予想と大きく異なる可能性があるリスクや不確実性を伴います。これらのリスクや不確実性に関する詳細情報は、証券取引委員会(SEC)に提出された資料に記載されています。特に、SAPの2025年度の年次報告書(様式20-F)のリスク要因セクションに詳細が記されています。
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