SAPジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鈴木 洋史、以下SAPジャパン)は、ビジネスAI革命を牽引できるよう開発者を支援する新たな取り組みを発表しました。データエコシステムの拡大、開発ツールSAP(R) Buildの新しいAI主導機能、強力なJoule Agentsを提供することで、開発者はかつてないスピードと確信を持って開発に取り組むことが可能になります。

カスタムAIエージェントが開発できるJoule Studioの一般提供開始(2025年内予定)

カスタムAIエージェントが開発できるJoule Studioの機能がリリースされます。開発者はSAPのエージェントを拡張し、SAPのビジネスデータとコンテキストに基づいて、変化するビジネス状況に基づいて自律的に動作する新しいエージェントを構築することができます。

初期リリースでは、ローコード・ノーコードによる基本的なエージェント開発機能に加え、外部のModel Context Protocol(MCP)サーバーへのアクセスも含まれます。初期リリースの一般提供は年内を予定しています。さらに2026年上半期のリリースでは、Jouleと会話(Vibeコーディング)しながらのエージェント開発やSAPアプリケーションにMCPサーバーとしてアクセスできる機能、他社のAIエージェントと連携するA2Aプロトコルの対応など、多くの期待値の高い新機能も追加される予定です。

エージェンティック開発をサポートするMCPサーバーの一般提供開始

エンタープライズアプリケーションの開発ツールのSAP Buildでは、開発者の希望するツールを使用して、より自由に構築、拡張、自動化することが可能になりました。例えば、Cursor、Claude Code、Cline、Windsurfなどのエージェント型開発ソリューションを好む開発者は、新しいSAP BuildのローカルMCPサーバーでSAP開発フレームワークを利用できます。Visual Studio Codeのユーザーは、新しいSAP Build拡張機能を使用して、開発環境からSAP Build機能に直接アクセスできるようになります。また、この拡張機能は今後、他の開発環境向けのOpen VSX Registryで利用可能になる予定です。SAPとn8nも、Joule Studioエージェントとn8nエージェントを連携させるための統合計画を発表しています。

生成AIが得意なのは、大量の文章を処理する非構造化データをもとにした推論ですが、SAPアプリケーションのデータはデータベースのテーブルに表形式(構造化データ)として保存されています。このような業務向けのリレーショナルデータをもとに、予測を行う業務に特化したSAP独自のAIモデル「SAP(R)-RPT-1*(エスエーピー・ラピッド・ワン)」モデルが発表されました。
*第1世代のRelational Pre-trained Transformer

従来の業務向けのAIモデルは、顧客の業務シナリオごとに顧客のデータを使いAIモデルを学習することが一般的で、かなりの労力とコストがかかるものでした。これに対して、RPTモデルはSAPのテーブルの構造や値、関係性が事前学習されており、これ一つで多くの業務シナリオに対応し、顧客側での追加学習なしでそのまま使える汎用的な予測AIモデルという点がメリットです。これにより、配送遅延や入金リスクの予測、伝票の自動入力(欠落した情報を予測)など、お客様がSAP業務において期待するAI活用が実現できるようになります。

今後、このモデルがSAP標準のAIシナリオに組み込まれ、APIとして提供されることで、カスタムのAIアプリケーションシナリオを開発できるようになります。SAP-RPT-1は、年内にベータ版が提供される予定です。

ABAP開発のAIツールとして、すでにJoule for Developersがリリースされています。この度、その追加機能として、オンプレミスのECCやSAP S/4HANAからCloud ERPへ移行する際に、既存のカスタムABAPコードの移行をAIが支援してくれる「Custom Code Migration」という機能が今年10月にリリースされました。これまでは、移行の際にどのカスタムコードを変換しなければならないかのチェックはできましたが、そのコードを具体的にどのように書き換えるかはマニュアルでの作業でした。この書き換えについて、Jouleと会話をしながらできるようになります。

すべてのインテリジェントアプリケーションは、信頼できるデータから始まります。SAPは、SAP(R) Business Data Cloud(SAP BDC)を通じて、開発者がデータを活用するためのより多くの方法を提供しています。

SAP BDC向けの新しいSAPソリューション拡張製品

「SAP Snowflake solution extension for SAP Business Data Cloud(SAP(R) Snowflake(R))」の提供により、SnowflakeのフルマネージドデータおよびAI機能がSAPのお客様に直接提供されます。SAP Snowflakeは、SAP BDCとSnowflake間でのゼロコピー共有を実現し、お客様がより高度なデータインサイトを取得し、エンタープライズグレードのインテリジェントアプリケーションを構築し、AIによるイノベーションを通じてビジネス変革を加速できるよう支援します。すでにSnowflakeをご利用のお客様は、SAP(R) Business Data Cloud Connectを活用して既存のSnowflakeをSAP Business Data Cloudと連携し、よりシームレスでゼロコピーのアクセスを実現できます。

この協業は、DatabricksおよびGoogle Cloudとの既存の統合を補完し、開発者がSAPデータの使用方法をより自由に選択できるようにします。また、SAP Business Data Cloudの新しいデータプロダクトスタジオ機能を使用すると、生データを、分析、AI、アプリケーション開発をサポートするデータプロダクトと呼ばれる、開発者がすぐに使用できる資産に変換できます。

AIがすべての人の仕事の本質を変える中、SAPは2030年までに世界中で1,200万人にAI対応スキルを身につけさせることを約束しています。SAPは、オンライン学習プラットフォームCourseraとの提携などを通じて、実用的なAI対応ツールを統合した実践的なトレーニングと認定プログラムを拡大していきます。

以上

SAPジャパンについて

SAPジャパンは、SAP SEの日本法人として1992年に設立されました。SAP(NYSE:SAP)は、エンタープライズアプリケーションとビジネスAIのグローバルリーダーとして、ビジネスとテクノロジーの融合を推進しています。50年以上にわたり企業と共に歩み、進化を続け、財務、調達、人事、サプライチェーン、カスタマーエクスペリエンスなどのビジネスクリティカルな業務を統合し、お客様のビジネスを成功へと導く支援をしています。詳細は、こちらからご覧ください。
http://www.sap.com/japan

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