2026.7.16:APの最新調査結果によって、日本企業のAI投資が世界平均を上回る一方、AIエージェント活用に向けたデータ・人材・ガバナンスの課題が明らかに

SAP ジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:堀川 嘉朗、以下 SAP ジャパン)は、SAP SE(NYSE:SAP)とOxford Economicsが実施した最新調査「The SAP Value of AI Report 2026」の日本に関する結果を発表しました。本調査では、日本企業においてAI投資の拡大と投資対効果(ROI)への期待が高まる一方、AIエージェントを本格的に活用するためには、データ品質、人材育成および責任体制、ガバナンスの整備が重要であることが明らかになりました。
調査によると、日本の企業は今年、AIに平均3,120万米ドルを投じる見込みで、これは世界平均の2,800万米ドルを上回る数値です。また、AI投資額は今後2年間で44%増加する見通しです。AI投資によるROIも、今年の22%から2年後には39%へ高まると見込まれています。
また、59%の日本の企業が現在のAI投資によるROIに満足していると回答する一方、約3分の2は、AIがまだ本来の可能性を十分に発揮していないと回答しています。これらの結果から、日本の企業ではAI活用の成果が見え始めている一方で、AIの価値をさらに高める余地が残されていることがうかがえます。

AIエージェントに対する高い期待の一方で、全社的な戦略との連動に課題

AIエージェントへの期待は特に高く、日本の企業の82%が、AIエージェントには自社を変革する中程度から非常に高い可能性があると回答しています。しかし、AIエージェントに十分備えていると回答した日本の企業は2%にとどまりました。
AI投資・活用の進め方にもばらつきが見られます。AIへの投資について、部門や用途ごとに断片的に進めている日本の企業は45%に上る一方、戦略的にAI投資を行っていると回答した日本企業は20%にとどまりました。こうした結果から、AI活用は広がりつつあるものの、全社的な方針や責任体制と結びついた取り組みはまだ限定的であることがうかがえます。

AI活用における3つの課題

今回の調査結果からは、日本企業のAI活用における課題として「データ」「人材」「ガバナンス」といった3つの側面で課題が明らかになりました。
データ面では、不完全なデータがAI活用の価値を十分に引き出すうえでの制約となっています。日本の企業の70%がAI活用に向けたデータの準備ができていると回答しているにも関わらず、71%が不完全なデータに関する問題を抱えており、77%が低品質なAIアウトプットによる手戻り、遅延、業務の滞留を経験しています。AIを業務で活用するうえでは、正確なデータだけでなく、そのデータがどの業務プロセスの中で使われ、何を意味するのかという文脈も重要になります。
人材面では、79%の日本企業が、自社のアップスキリングがAIツールの進化に追いついていると確信できないと回答しています。AI活用を支える体制づくりの重要性も高まっていますが、AI導入を担う専任リーダーを設置していると回答した日本の企業は45%、AIに関する経営層のKPIを設定していると回答した企業は36%、AIの機能やリスクに関する研修を実施していると回答した企業は40%にとどまりました。AI活用を一部の部門や個人の取り組みにとどめず、全社的な人材育成や責任体制の整備につなげていくことが重要です。
さらに、ガバナンスもAIの価値を企業全体の成果につなげるうえで重要な要素ですが、日本の企業の70%は、ガバナンスが追いつかないほどの速度でAIエージェントを展開している、またはその状況を把握していないと回答しました。

人とプロセス、AIが一体となる「Autonomous Enterprise」の実現へ

今回の調査結果では、日本の企業がAIへの投資とAIエージェントへの期待を高める一方で、AIを信頼できる形で業務に組み込むためには、ビジネスプロセス、データ、そして責任ある活用を支えるガバナンスの整備が今後ますます重要になることが示されています。
AIの価値を企業全体の成果につなげるには、AIを単独のツールとして導入するのではなく、企業活動を支えるデータや業務プロセスと結びつけ、業務の文脈に即した信頼できる結果を導けるよう、適切なガバナンスを備えることが重要です。SAPは、AIによって人の働き方と業務プロセスのあり方を変革し、リアルタイムの情報に基づく意思決定、エンドツーエンドの業務自動化、継続的な業務改善を可能にする未来の企業像を「Autonomous Enterprise(自律型エンタープライズ)」と呼んでいます。
SAPジャパン 代表取締役社長の堀川 嘉朗は、次のように述べています。「日本企業はこの1年で、AIの実証実験から実行の段階へと移行しつつあり、その成果も見え始めています。一方で、AIが企業固有の業務プロセス、データ、ガバナンスと切り離されたままでは、期待した成果につながらないだけでなく、新たなリスクを生む可能性もあります。AIから真の価値を引き出すためには、AIを企業活動の中核を支えるデータや業務プロセスと結びつけ、信頼できる形で活用できる環境を整えることが重要です。SAPは、エージェント、業務プロセス、人が一体となって価値を生み出すAutonomous Enterpriseの実現を通じて、日本企業の変革と競争力強化に貢献してまいります」

その他の主な調査結果

  • 日本の企業におけるAIエージェントによるROIは、今後2年間で2,110万米ドルに達する見込み
  • 日本の企業では、現在33%の業務タスクがAIによって支援されており、この割合は2年後には50%まで拡大する見込み
  • AIを効果的にガバナンスするためのスキルが十分に整っていると回答した日本の企業は7%、プロセスやフレームワークが十分に整っていると回答した企業は9%
  • AIエージェントのワークフローにおいて、人による確認プロセスを設けていない日本の企業は36%、AIエージェントの権限・アクセス管理を整備していない企業は40%。一方、AIエージェントを一覧化・管理する仕組みを持つ企業は45%
  • AIが自社の人材計画に影響を与えないと回答した日本の企業は1%未満。また、従業員が会社の承認を得ずにAIツールを利用する「シャドーAI」が少なくとも時々発生していると回答した企業は68%

本調査について

本調査は、SAP SEとOxford Economicsが、世界13カ国のビジネスリーダー2,600名を対象に実施したものです。このうち日本では、従業員数500名以上の企業に所属する経営層200名が回答しました。回答企業は、産業機械・部品、銀行、ハイテクハードウェア、素材・紙・パッケージ・建材、専門サービス、卸売、自動車、消費財、エネルギー、メディア・エンターテインメント・通信、公共、公益、ハイテクソフトウェア、小売、旅行・運輸など、幅広い業種にわたります。
日本の回答企業の従業員規模は、500~999名が12.0%、1,000~1,499名が30.0%、1,500~9,999名が25.0%、10,000~24,999名が15.5%、25,000~49,999名が6.0%、50,000名以上が11.5%でした。
以上
SAPジャパンについて
SAPジャパンは、SAP SEの日本法人として1992年に設立されました。SAP(NYSE:SAP)は、エンタープライズアプリケーションとビジネスAIのグローバルリーダーとして、ビジネスとテクノロジーの融合を推進しています。50年以上にわたり企業と共に歩み、進化を続け、財務、調達、人事、サプライチェーン、カスタマーエクスペリエンスなどのビジネスクリティカルな業務を統合し、お客様のビジネスを成功へと導く支援をしています。詳細は、こちらからご覧ください。http://www.sap.com/japan
この文書には、将来の予測や見通しなど、将来予想に関する記述が含まれています。これらの記述は、現時点での期待、予測、仮定に基づいており、実際の結果や成果が大きく異なる可能性があるリスクや不確実性を伴います。これらのリスクおよび不確実性に関する詳細は、米国証券取引委員会(SEC)に提出されたSAPの2025年度年次報告書(Form 20-F)のリスク要因セクションをはじめとする各資料に記載されています。
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