2026.5.18:SAP、SAPおよび外部データを統合し、エージェント型AIを支援するDremioの買収に合意
(本リリースは、5月4日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)
SAP SE(NYSE: SAP、以下SAP)とDremioは本日、SAPがDremioの買収に合意したことを発表しました。Dremioは、エージェント型AIの活用を加速するために設計された、オープンかつ高性能なデータレイクハウスプラットフォームです。本買収により、SAP(R) Business Data Cloudの機能が拡張され、SAPおよびSAP以外のデータを統合し、分析およびAIワークロードをより効果的にリアルタイムで実行できるようになります。
本取引の金額は非公開で、現在、規制当局の承認等を前提とした手続きが進められています。
多くの企業においてAIプロジェクトが価値創出に至らない要因は、AIそのものではなく、基盤となるデータにあります。データが分断され、独自のフォーマットに固定され、ビジネスコンテキストが欠落していることにより、スケールしないPoC(概念実証)、新しいデータソース統合の遅延、エンジニアリング作業の重複、さらにはAIによる意思決定の説明責任が果たせないことによるコンプライアンスリスクといった課題が生じています。Dremioは、こうしたデータの分断と統合の摩擦を解消します。本買収により、SAP(R) Business Data CloudおよびSAP HANA(R) Cloudとの連携が強化され、SAPデータとSAP以外のデータのシームレスな統合を、高性能かつ低コストで実現し、AI活用に必要なコンテキスト整備と価値創出までの時間短縮を支援します。
SAP SEの最高技術責任者(CTO)であるフィリップ・ハーツィク(Philipp Herzig)は、次のように述べています。「エンタープライズAIが停滞する原因は、モデルの性能ではなく、AIエージェントが活用できる状態にデータが整備されていないことにあります。Dremioはこのボトルネックを解消します。SAP Business Data Cloudと組み合わせることで、断片化された生データをガバナンスされたAI対応インテリジェンスへと変換し、単一のオープンプラットフォーム上でお客様に提供することが可能になります」
Dremioの統合により、SAP Business Data Cloudは、Apache Icebergをネイティブに利用できるエンタープライズ向けレイクハウスへと進化し、SAPおよびSAP以外のデータを統合して、エンタープライズ規模のエージェント型AIを支えます。Apache Icebergは業界標準のオープンなテーブルフォーマットであり、SAP Business Data Cloudはこれを基盤としてネイティブにサポートします。これにより、データ移動やフォーマット変換を行うことなく、SAPデータとSAP以外のデータを同一基盤上で扱うことが可能になります。さらに、企業内のあらゆるデータソースに対するフェデレーション分析と、SAP HANA Cloudのインメモリエンジンによるリアルタイム処理およびトランザクション性能を組み合わせることが可能になります。
Dremioのレイクハウスプラットフォームは、エンタープライズ分析のコスト構造を大きく改善します。サーバーレスで弾力的な設計により、需要の増加時には自動的にスケールアップし、低下時にはスケールダウンします。これにより、固定的なリソース確保が不要となり、重要な局面でも性能の上限に制約されることはありません。
さらにSAPは、Apache PolarisおよびオープンなApache Iceberg REST Catalog APIに基づく、ユニバーサルかつオープンなカタログを提供します。このカタログは、SAP Business Data Cloudにおけるデータのディスカバリーやセマンティックレイヤーの役割を担い、SAP・SAP以外を問わず接続されたすべてのエンジンに対して、一貫したビジネスコンテキスト(意味、関係性、アクセス権、データリネージ)への単一アクセスポイントを提供します。このカタログは、ビジネス上の関係性、組織構造、法規制の分類、システム横断でのデータリネージをネイティブ属性として組み込み、SAP(R) Knowledge Graphの基盤となります。
Dremioは、Apache Iceberg、Apache Polaris、Apache Arrowといった、同社プラットフォームの中核を成すオープン・ソース・プロジェクトで主導的な役割を果たしてきました。SAPは、これらへの投資および貢献を継続していく方針です。
本取引は、規制当局の承認を含む一般的なクロージング条件を前提として、2026年第3四半期の完了を見込んでいます。
以上
Dremioについて
Dremioは、「エージェント型レイクハウス」を提供する企業です。エージェント型レイクハウスは、エージェント向けに設計され、エージェントによって管理される、唯一のIcebergネイティブ・データ・プラットフォームです。あらゆるナレッジワーカーおよびAIエージェントは、任意のLLMやツールを通じて、企業データに即時かつガバナンスされた形でアクセスできます。ETLパイプラインを必要とせず、あらゆるデータソースに対してフェデレーテッドクエリを実行可能です。AIによるセマンティックレイヤーがビジネスコンテキストを付与し、すべてのエージェントが単一の信頼できるデータソースに基づいて判断を行います。また、クラスタリング、最適化、コンパクションを自律的に実行することで、インフラの複雑性や運用負荷を排除しながら、高品質なインサイトを提供します。Shell、TD Bank、Michelinをはじめ、世界中の数千の組織で採用されています。
SAPについて
SAP(NYSE:SAP)は、エンタープライズアプリケーションとビジネスAIのグローバルリーダーとして、ビジネスとテクノロジーの融合を推進しています。50年以上にわたり企業と共に歩み、進化を続け、財務、調達、人事、サプライチェーン、カスタマーエクスペリエンスなどのビジネスクリティカルな業務を統合し、お客様のビジネスを成功へと導く支援をしています。詳細は、こちらからご覧ください。www.sap.com
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