ラティス・テクノロジー株式会社(代表取締役社長 鳥谷 浩志、以下、ラティス)は、仮想3Dモデルで大型機械製品の機構を検証する「XVL Kinematics Suite」(以下、 Kinematics)の最新バージョン「Ver. 22.1」(以下、新バージョン)において、干渉履歴機能を強化することで検証漏れを防止する機能を提供します。

近年、生産設備や自動機開発における製品リードタイム短縮のニーズが増大し、問題の早期つぶし込みのために実機完成前のデジタル検証導入が進んでいます。3D CADシステムでは、モデリングした部品同士の干渉確認やCAE実施などの機能が要求されてきました。一方、「大規模で複雑な機械の動きを検証したい」というニーズに対してラティスでは、軽量3DモデルのXVLを利用したKinematicsを提供することでデジタル検証を可能にしてきました。

新バージョンでは、動く3Dモデル上で部品間の干渉をチェックし、検出した干渉箇所の対象部品・位置・発生時刻を履歴化することが可能になりました。部品点数1万点を超える大規模モデルにおける干渉個所をすべて履歴として残すことができ、その一つをクリックすれば3D上にその時の干渉状態を再現できます。課題をCADで修正した後、Kinematicsで機構シミュレーションを再度実行することで、干渉箇所の修正漏れを防ぐことできます。

さらに、この履歴情報の中から、シミュレーションで検出した干渉発生時の機構状態と干渉情報は機構ログとしてCSV出力できるので、干渉発生の記録もしくは干渉が発生しない、という証跡として利用できます。

Kinematicsは「現物の現実を、デジタルの XVLモデルで再現し設計の意図との差分を見える化する」という、ラティスが提唱する“ 3Dデジタルツイン” *のコンセプトを体現するものです。ラティスは新機能によりこれをさらに加速させ、一気通貫した3Dデータ活用により製造業のデジタルトランスフォーメーションに貢献していく考えです。
*3Dデジタルツインコンセプト: https://www.lattice.co.jp/products/solution/#twin

【製品情報】

  • 製品名称 :XVL Kinematics Suite
  • バージョン :Ver. 22.1~(2024年4月15日から提供開始)
  • 価格(税別) :2,200,000円 ~(別途, 初年度より年間保守が発生)
  • 製品URL : https://www.lattice.co.jp/products/lineup/Kinematics/
  • その他 :XVL Kinematics Suite はXVL Studioと機構オプションのパッケージ製品です。

XVL Studioの対応グレードは販売代理店にお問い合わせください。
XVL Studioの対応グレードにより価格は異なります。詳細は販売代理店にお問い合わせください。

用語説明
「XVL」 (eXtensible Virtual world description Language) は, XML(eXtensible Markup Language) をベースとした超軽量3D表現として, ラティスが提唱する表現形式です。XVLを用いることで, 3D CADなどで生成されたデータを数百分の1にまで軽量化することができます。また, メモリが少ない環境で巨大な3Dデータを高速表示する技術の実装により, ネットワーク環境での3Dデータ共有に最適な形式です。現在, 干渉チェック機能を搭載したDMUや3Dビジュアル作業手順書を作成するソリューションが市場で高く評価されています。ラティスの XVLは世界中の自動車産業, 航空機産業, 電機産業等多くの製造業の企業で採用されています。3Dデータの精度と構成情報を保ちながら, 軽量にデータ表現できるという特徴から, デザインレビュー, 機構シミュレーション, 工程設計, 作業指示, 部品表, イラスト作成などの用途に活用されています。製造業の大手では, 3D CADの普及により蓄積された3Dデータの有効活用を目的に, XVL製品を全社規模で導入するケースが増加し, 国内外で急速に普及が進んでいます。

その他

  • XVL, 3Dデジタルツインはラティス・テクノロジー株式会社の登録商標です。
  • その他記載されている会社名および製品名は, 各社の登録商標または商標です。