2023.5.31:電気自動車(EV)の充放電を AI で自動制御する「EV 充放電サービス」を提供開始 (BIPROGY)


BIPROGY は、AI を活用して電気自動車(以下、EV)の最適な充放電計画を作成し、遠隔で自動制御を行う「EV 充放電サービス」の提供を開始しました。

脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一環として、自治体や企業の公用車や営業車などを EVシフトする動きが加速する中で、電力コストや運用管理などの課題も顕在化してきました。

「EV 充放電サービス」は、AI による最適な充放電計画を作成し、需要家(EV ユーザー)が所有する EV を“動く蓄電池”のようにエネルギーリソースとして用いることができ、放電による電気料金削減(ピークカット)や災害時の BCP 対策などに EV を活用させることが可能になります。

【背景】

日本政府は、2035 年までにすべての新車販売を EV などの電動車に転換する目標を掲げており、今後より一層の普及が期待されています。企業や自治体が営業活動などで EV を利用する場合、EV への充電・放電の適切な管理が特に重要であり、その管理を行わない場合、充電不足に起因する業務支障や電力ピーク時の一斉充電による電気料金の上昇などが懸念されます。

BIPROGY は、電力業界でのシステム構築ノウハウを集約したクラウドサービスである「Enabilityシリーズ(注1)」とカーシェアリングをはじめとしたモビリティサービスの事業運営を支援する「smart oasis(注2)」を約 10 年にわたって提供しており、それらのノウハウを適用した「EV 充放電サービス」の提供を開始しました。

【EV 充放電サービスの概要】

EV 充放電サービスは、取得した電力需要や EV のデータなどから、再エネ利用最大化、経済性優先、BCP 優先の3つの目的に応じた AI による最適な充放電計画を作成します。その計画に基づき、EV に接続する充電設備をリアルタイムに遠隔で自動制御し、EV への効率的な充電や電力 迫時の放電(ピークカット、ピークシフト、DR(注3)など)を実行し、電気料金削減につなげます。

<サービスの特徴>

1. 東京大学と共同で考案・特許登録した「EV 状態予測アルゴリズム」を活用し、EV の駐車/外出の有無、外出時の消費 SOC(注4)を予測

2. 車両管理・運行管理システムなどのモビリティサービスと連携した充放電計画が作成可能

3. 分散型リソース(太陽光発電、蓄電池)と連携した充放電制御も可能

4. 市場価格に連動した充放電制御に対応し、小売事業者の電力市場からの調達コストを軽減

20230531 BIPROGY 1


【今後の取り組み】

BIPROGY は、エネルギー×モビリティに関連するサービスを公用車や営業車の EV シフトを進める企業や自治体を中心に提供し、2030 年までに年間 30 億円の売り上げを目指します。また、「Enability シリーズ」と「smart oasis」を融合させ、カーボンニュートラル経営を目指す、すべての企業を支援するサービスを構築していきます。BIPROGY は、2020 年に策定した「環境長期ビジョン 2050」に基づき、今後も「顧客・パートナーと共に社会課題を解決する企業」としてサステナブルな社会の実現に貢献していきます。

以上

※注 1:電気小売事業者向けクラウドソリューションです。申込受付から、スイッチング、料金計算、請求、電気使用量の見える化まで、小売電気事業に必要な機能を提供。
※注2:EV・PHV オーナーおよびユーザー向けサービスプラットフォームです。会員管理、認証、課金・決済管理をコアとする EV 充電、カーシェアリングサービスをクラウドサービスとして提供。
※注 3:デマンドレスポンス (DR)。需要家のエネルギーリソースを制御することで、電力需要パターンを変化させること。
※注 4:「State Of Charge」の略で、充電率または充電状態を表す指標。

■関連リンク:

※Enability、smart oasis は、BIPROGY 株式会社の登録商標です。
※その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。

本件の参照先:https://www.biprogy.com/pdf/news/nr_230531.pdf

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