- 究極のAC75アメリカズカップ・ヨットの開発のため、ルナ・ロッサ・プラダ・ピレリは、Siemens Xcelerator as a Serviceを選択
- クラウドベースのコラボレーションが、増大する設計の複雑さを最適化、年間を通して製作作業の再現性を確保
- チームは高性能コンピューティング(HPC)クラスターのパワーで、新デザイン検討のため1日数千回のシミュレーションの実行が可能に
シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア (以下シーメンス) は本日、ルナ・ロッサ・プラダ・ピレリ・アメリカズ カップ・チームが、次回のアメリカズカップ・チャレンジ (第37回アメリカズ カップ) に向けた、レーシングヨットの設計、シミュレーション、最適化のために、Siemens Xceleratorのソフトウェアおよびサービスのポートフォリオを採用したことを発表しました。
ルナ・ロッサ・プラダ・ピレリ・チームのCFD責任者であるマテオ・レドリ氏は、次のように述べています。「Siemens Xcelerator as a Service ポートフォリオから、私たちにきわめて重要なツールが提供されることになりました。今、ルナ・ロッサ・プラダ・ピレリ・チームは、ボートの油圧や流体力学性能のすべての要素の設計、分析、評価が行えるようになっています。シーメンスのソフトウェアは、艇体、フォイル、ラダー、セール等、すべてのデジタルツインを分析対象とします。プロジェクト・パラメーターの変化にそれぞれの表面で何が起こるかをシミュレーションすることで、作業全体が短縮されます。」
艇体やフォイル、ラダー、セールは、Simcenter™ STAR CCM+™ ソフトウェアを使用して設計、解析されます。プロジェクト・パラメーターの変更に対して、セール、艇体の動きがどのように変わり、フォイル周辺の複雑な流体の流れに変化が生まれるのかを試算、推測します。競技艇の空気の流れをつかむパーツは、4人のサイクラーがペダルを踏む力を油圧で伝えることで操作されますが、そこできわめて重要となる油圧ラインの中の流体の動きを解析し、パーツの動きを最適化させるのが、Simcenter™ Amesim™ソフトウェアです。
加えて、Siemens Xcelerator as a Serviceが提供するクラウドベースのコラボレーション機能、Xcelerator Shareは、増大する設計の複雑さを最適化します。増え続ける新しい部品に対して、年間を通して数千回の単位で間断なく発生する設計や設計変更を適用し、効率的に再製造、再生産できるようになりました。競争環境の厳しいアメリカズカップにおいて、こうした先進の形状記述機能と高精度のCFDシミュレーション機能は必須です。世界的なレース競技で戦うためのタイム・スケジュールに応え、ルナ・ロッサ・プラダ・ピレリ・チームが求める競争力を与えてくれるのは、これら先進の技術です。
高度な自動化を可能にしているSiemens Xcelerator as a Serviceにより、ルナ・ロッサ・プラダ・ピレリ・チームは最新の高性能コンピューティング (HPC) クラスターのパワーを活用し、1日に数千回のシミュレーションを実行、さまざまな環境条件における新しい設計の特性解析を短時間でできるようになります。さらに、シーメンスはルナ・ロッサ・プラダ・ピレリ・チームが最大の成果を得られるように専属のサポートサービスを提供します。今回の契約されたソリューションには、シーメンスのNX™ソフトウェアも含まれており、ルナ・ロッサ・プラダ・ピレリは、その将来的な活用も視野に入れて、ソリューションの可能性の評価を始めています。
イタリア、イスラエル、ギリシャにおけるシーメンスデジタルインダストリー ソフトウェア社長兼CEOであるフランコ・メガリは、次のように述べています。「イノベーションの最前線にあるさまざまな組織は、弊社のソリューションを使用してアイデアを現実のものとし、真のイノベーションのための新しい領域を発見しつつあります。ルナ・ロッサ・プラダ・ピレリ・チームがSiemens Xcelerator as a Serviceを選択したことは、その新たな証です。世界でもっとも過酷なセーリング・レースに参加するチームや、宇宙の果てまで新しい車両を運搬するチーム、私たちすべてにとって持続可能性あふれる未来を構築するチームなど、さまざまな先駆者たちが私たちのソリューションを選択しています。」
シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは、Siemens Xceleratorビジネス・プラットフォームのソフトウェア、ハードウェア、サービスを最大限に活用し、あらゆる規模の組織がデジタル・トランスフォーメーションを実現する支援をします。シーメンスのソフトウェアと総合的なデジタルツインにより、企業は設計、エンジニアリング、および製造プロセスを最適化し、現在のアイデアを将来の持続可能な製品に転換できるようなります。チップからシステム全体、そして製品からプロセスに至るまで、あらゆる産業に渡り、シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは、今日と未来をつなぐ橋渡しをします。
シーメンスデジタルインダストリーズ(DI)はオートメーションとデジタル化における革新的なリーダーです。パートナーやお客様と緊密に協力して、プロセス業界とディスクリート(部品組み立て)産業のデジタル・トランスフォーメーションを牽引します。DIはデジタルエンタープライズポートフォリオによって、あらゆる規模の企業がバリューチェーン全体にわたって統合とデジタル化を実現するための、包括的な製品、ソリューション、サービスを提供します。各業界固有のニーズに合わせて最適化された、DIのユニークなポートフォリオは、お客様の生産性と柔軟性の向上をサポートします。DIは常にポートフォリオに革新性を追加し続け、未来の先端技術の統合に努めています。DIのグローバル本社の所在地はドイツのニュルンベルクで、世界に約76,000名の従業員を擁しています。
シーメンスAG(本社:ベルリンおよびミュンヘン)は、インダストリー、インフラストラクチャー、交通、ヘルスケアを中核事業とするテクノロジーカンパニーです。資源効率の高い工場、弾力的な供給網、スマートなビルや送電網から、清潔で快適な交通、先進医療に至るまで、目的をもったテクノロジーを開発することで、お客様のために実質的な付加価値を提供します。シーメンスは、デジタルと現実世界を結びつけることで、顧客企業が産業や市場を変革するための力になり、数十億もの人々の日常を変えていく上での支えとなります。またシーメンスは、世界的な大手医療技術プロバイダーとしてヘルスケアの未来を創造する上場企業Siemens Healthineersの過半数の株式を保有しています。さらにシーメンスは、送電および発電分野における世界のリーダー企業シーメンスエナジーの過半数未満の株式を保有しています。2022年9月30日に終了した2022年度において、シーメンスグループの売上高は720億ユーロ、純利益は44億ユーロでした。2022年9月30日時点の継続事業における全世界の社員数は31万1000人です。詳しい情報は、http://www.siemens.comにてご覧いただけます。
本文書には当社の将来の事業および財務業績、将来のできごともしくはシーメンスを含めた開発に関する記述が含まれており、これらは将来予測に関する記述に該当する可能性がありますこれらの記述は、「期待する」、「楽しみにする」、「予期する」、「意図する」、「予定する」、「信じる」、「求める」、「見積もる」等の表現によって特定される可能性がありますが、この限りではありません。
注:シーメンス関連の商標リストについてはこちらをご覧ください。その他の商標はそれぞれ各所有者に帰属します。