日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長 兼 CEO:森田 隆之、以下 NEC)と、企業・団体のネット・ゼロ目標達成までのでの変革を支援するソフトウェア企業SINAI Technologies lnc.(本社:米国カリフォルニア州、Founder and CEO:Maria Fujihara、以下 SINAI)は、脱炭素化を支援する事業で2022年11月から協業を開始しました。
背景
NECは、社会価値創造型事業に必要なエコシステムをリードするため、顧客やパートナーとの協業を加速し、スタートアップへの投資を通じて新しいサービス・知見・技術を導入するエコシステム型コーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)ファンド「NEC Orchestrating Future Fund(以下 NOFF)」を2021年12月に設立しました。(注1)
NOFFは、SINAIの脱炭素化事業をNOFFのビジョンの実現に大きく資するものと捉え、2022年9月にSINAIに出資を行いました。
このたび、NECとSINAIは事業においても連携することで、より強固な関係を築き、新たな社会価値の創出と脱炭素社会への貢献をともに目指すこととしました。
協業の概要
両社は、NECの環境パフォーマンス管理ソリューション「GreenGlobeX」と、SINAIの CO2排出削減インテリジェンス・ソリューション 「SINAI Decarbonization Platform」を連携することで、NECが持つ国内外複数の拠点から環境データを効率的に収集・集計するノウハウと、SINAIが持つScope1、2、3排出量(注2)の測定と報告、将来のCO2排出量予測のベースラインの算定、低炭素化へのシナリオ策定、カーボンプライシング、バリューチェーンマネジメントなどのノウハウを融合します。
これにより両社は、企業や自治体のネット・ゼロに向けたデータ収集・蓄積による見える化と、収集したデータの分析からCO2削減提案まで、脱炭素への取り組みをトータルでサポートします。
今後、両社はNECのカーボンマネジメント事業と、SINAI Technologies が開発する特定の業界向けの排出量の可視化および削減テンプレートのプラットフォームを組み合わせた新しいビジネスチャンスを追求していきます。これにより、両社は、企業が脱炭素化を目指すためのエコシステムを作っていくことを目指します。
なお、本件に対する、両社のコメントは以下のとおりです。
NEC 執行役員 都市インフラソリューション事業部門統括 白石一彦
NECは、2025中期経営計画において「カーボンニュートラル関連事業」を成長事業と位置づけ、IT技術、データマネジメントを活用して脱炭素社会の実現に貢献していくことを掲げました。本協業もその一環で、南米を中心とした著名企業との連携実績を多く持つSINAIと連携することにより、CO2排出量の可視化だけでなく、排出量の将来予測から具体的な削減方法の提案まで、幅広く提供可能となります。SINAIと共に、日本国内外のお客様と社会のカーボンニュートラル実現に貢献していきます。
SINAI Founder and CEO Maria Fujihara
NECとともに、より多くのグローバル企業に対して、ネット・ゼロを達成するための戦略策定を支援できることをうれしく思います。NECはパートナーとして、気候変動を逆転させるという私たちの目標を共有し、NECの高度な専門知識と技術を用いて革新的なアプローチをもたらします。NECと一緒に、日本と世界でより大きな影響を与えることができるでしょう。
以上
(注1) 2021年12月17日発表「NEC、総額1.5億米ドル規模のエコシステム型CVCファンドを新設」
https://jpn.nec.com/press/202112/20211217_01.html
(注2) Scope1とは、事業者自らによる温室効果ガスの直接排出のこと。Scope2 とは、他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出のこと。Scope3とは、Scope1、2以外の間接排出のこと。