製油所の設備保安業務の効率化・高度化に向け、あらゆる設備データをAVEVA™ Asset Information Managementに一元化
産業用ソフトウェアの世界的なリーダーとしてデジタルトランスフォーメーション(DX)および持続可能性を推進する英AVEVAの日本法人であるAVEVA 株式会社(本社:東京都港区、VP,日本統括:小暮 正樹、以下AVEV))は本日、ENEOS株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:齊藤 猛、以下ENEOS )が製油所のデジタルツイン基盤にAVEVA Asset Information Manag ement等を採用し、一部装置において、実プラントの3次元データを用いた設備管理の高度化のための情報集約システムを構築したことを発表しました。
ENEOSは長期経営方針「2040年グループ長期化ビジョン」において、”デジタル・省エネ技術活用により製油所安定・効率操業体制を確立すること”を掲げており、全社でデジタル技術の活用を推進しています。その一つとして製油所のデジタルツインプロジェクトに取り組んでおり、デジタルツインを用いたデータの一元化およびビッグデータ・AI技術活用による設備管理の高度化・効率化の実現を目指しております。
製油所を安全•安定して操業するためには、各設備・機器の設計医面、仕様、補修履歴などの諸情報が必要となりますが、こうした情報はサーバー内あるいは紙のようなアナログデータとして各部署に散在していました。製油所のデジタルツイン基盤の構築にあたり、これらの膨大な設備情報をデジタル化し、データをプラットフォームに集約する必要がありました。
そこで、ENEOSは、データ管理インフラや設備管理ツールなどの他社のシステムとも連携可能な設計・設備情報管理基盤として、国内外のプラントに導入されている実績やデジタルツイン基盤として基幹システムとの連携が実現可能であることを評価し、AVEVA Asset Information Manag ement (AIM) を導入しました。AVEVA AIMは、設備資産情報を一元管理し、設計からオペレーション、メンテナンスまでプラントライフサイクル全般にわたる関連情報をタグ付けし、コンテキスト化した情報として活用できます。今回のプロジェクトには、インテリジェント P&IDへの変換を支援するAVEVA P&IDおよび点群データ管理ソフトウェアAVEVA Point Cloud Managerも導入され、製油所内のデジタル化された設備清報の統合を実現しています。なお、デザイン思考に基づくデジタル活用の検討などを含めた構想策定およびデジタルツイン基盤の初期導入はアクセンチュア株式会社と、各事業所のデータ実装およびシステム運用は日揮株式会社との共同で行っています。
川崎製油所および仙台製油所の設備データの一元化、既存装置の3Dモデル化作成を行い、デジタルツイン基盤となるデータプラットフォームの構築を進めており、他の製油所での展開も検討しています。まずはデジタルツインを用いた設備関連データの一元化による設備管理業務の効率化を実現し、連携されたデータを元にビッグデータ解析•AI技術などを用いた保全業務の高度化を実現するアプリの実装を実施していく予定です。
ENEOS株式会社 工務部 副部長 大和 尚也氏は次のように述べています。「デジタルツインを用いた基盤を構築したことにより、より素早く・簡易的に設備データヘのアクセスできる環境が整いました。事前の検証結果から、本システムによって設備管理業務に割く時間を約1割削減できることが確認されています。また、デジタルツインの構築に伴い整備したプラントの3DモデルおよびインテリジェントP&IDは、高度で複雑なデータ分析結果を人間が直観的に理解しやすいように可視化するための基盤になると考えており、これから実現する高度化施策と組み合わせて、より大きな成果につなけていきたいと考えています。」
AVEVA株式会社 VP、日本統括 小暮 正樹は次のように述べています。「ENEOSは長期ビジョンの中で製油所将来像の実現にむけたロードマップを策定し、デジタル技術の導入を推進しています。AVEVAはプラントのエンジニアリングデータとオペレーションデータを連携するソリューションを提供し、製造現場のあらゆるデータソースの整備データの連携を実現し、お客様によるデータの利活用を支援しております。デジタルツインによる製油所の保全業務の高度化・効率化にむけたENEOSの取り組みを今後もサポートしてまいります。」
アクセンチュア株式会社 マネジング・ディレクターインダストリーX本部 山崎 智氏は次のように述べています。「ENEOSは設備信頼性の向上を目的に、保全業務全般における高度化・効率化の検討を行っています。こうした中、アクセンチュアは業界知識やテクノロジーの知見を駆使し、デジタルツインの企画・構想策定をはじめとして、製油所において想定されるユースケースの検証、設備情報を活用した想定効果の創出に資するデジタルツイン環境の実装を支援しました。今後も適用範囲の拡大を推進することで、製油所のさらなる安全な稼働やサステイナブルな操業に貢献してまいります。」
日揮株式会社 デジタルイノベーション室長 福田 俊彰氏は次のように述べています。「プラントのデジタルツィンの構築はシステムの器だけを整えても完成しません。特に今回のENEOSの取り組みにおいては、AVEVAP&IDに紐づける資料やI青報、データの整備と正しいP&IDのインテリジェント化が重要なキーであり、スムーズに利活用がなされるかどうかが決まります。当社の持つ豊富なエンジニアリングの知見が、ラインブレークのあり方や必要となるオブジェクトの選択なとで活かされ、チャレンジングなデジタルツィン構築のお役に立つことができました。引き続き、ますます増えるデジタルツィン構築のニーズに応えてまいります。」
注記
※ 「物理空間の情報を収集し、コンピュータ上(仮想空間)で物理空間を再現する技術のこと」と.ENEOS株式会社では定義されています。本技術を用いることで、仮想空間上で様々なシミュレーションを行うことができます。
AVEVAについて
AVEVAは、産業用ソフトウェアのグローバルリーダーとして、独創的なソリューションで適切に世界中の資源の有効活用をサポートしています。AVEV Aの安全な産業用プラットフォームとアプリケーションを利用することで、企業は自社の事業を最適化するだけでなく、お客様、サプライヤー、パートナーからなる幅広いエコシステムとの連携を強化できます。
100 か国以上で、20,000 以上の企業が、安全で信頼性の高いエネルギー、食品、医薬品、インフラストラクチャなどの生活必需品を提供するために、AVEV Aを活用しています。AVEVAは、人、信頼性の高い情報、AIのインサイトを結びつけ、企業がよりスマートなエンジニアリング、適切な経営、持続可能な価値の創出を支援しています。Fast Company誌により世界で最も革新的な企業の1社に選出され、オープンなソリューションと、世界中の6,400人以上の従業員、5,000社のパートナー、5,700人以上の認定開発者の専門知識を活かし、お客様をサポートします。世界中で事業を展開するAVEVAは、英国ケンブリッジに本社を置きロンドン証券取引所に上場し、FTSE 100の構成銘柄にも選ばれています。
詳細はhttps://www.aveva.com/ja-jp/をご覧ください。