COP27開催を前に、SAPの調査によると、日本企業はサステナビリティ活動を収益につなげるよう検討しているが、戦略の不足が課題に
SAPジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:鈴木 洋史、以下 SAPジャパン)は、日本の企業がサステナビリティから財務的な利益を得る傾向が強まっている一方で、データ管理の不備が課題となっていることを明らかにする新たな調査結果を発表しました。今回発表した「グローバル環境サステナビリティ調査」は、日本企業313社を含む6,500人以上のビジネスリーダーを対象に、企業がサステナビリティを推進する上での動機や課題について調査したSAP本社の年次報告書の第2版です。
日本企業が環境への取り組みを行う主な理由として、収益とビジネス成長の機会(42%)および顧客の要望(37%)が挙げられていますが、企業が掲げるビジョン(57%)が最も重要な理由となっています。日本企業は、データをサステナビリティ戦略の中核に据えることができなければ、目標を達成できない恐れがあります。
サステナビリティの取り組みを収益化し、収益性をサステナブルにする環境を改善し、組織の二酸化炭素排出量を削減するための行動を起こすことは、道徳的な問題であるだけでなく、売上向上の重要な推進力になってきており、その動きは急速に進んでいます。現在、日本のリーダーのほぼ4分の3(73%)が、サステナビリティへの取り組みと収益性との間に相関性があると見ています。一方、4分の1強(27%)は、この2つの間に負の関係があるか、全く相関性がないと考えています。
日本企業の半数以上(52%)が、今後5年以内に環境問題への取り組みが業績に大きく影響すると考えています。さらに、SAPによると、42%の企業が、組織のサステナビリティ目標を達成するために収益性が低下しても、ステークホルダーは中程度または高いレベルで許容するだろうと回答しており、これはサステナビリティのための前向きな投資を行う余地があることを示しています。
データ主導のサステナビリティ戦略の構築
利益と目的を結びつけるには、サステナビリティに特化した戦略と投資対効果を証明する能力が必要です。しかし、これが企業による環境への取り組みを阻害する大きな要因となっていることが明らかになりました。日本企業の10社に4社(40%)は、投資対効果を証明することの難しさが足かせになっていると回答し、31%はサステナビリティ戦略の不足を指摘しています。
日本企業が質の高いデータを収集し、分析する能力を持つことこそが、この問題の核心にあることが明らかになりました。SAPは、日本企業の97%が環境への影響を正確に測定する能力に完全に満足していないことを明らかにしています。
このようなデータの課題は、進捗を妨げてイノベーションを遅らせるリスクとなり、実際、一部の企業は、環境関連のデータの収集と活用の仕方により、これらの問題を悪化させています。日本企業の10社に4社以上(44%)は、サプライチェーンの環境影響を判断するのに、仮説や推測だけに依存しています。同様に、大半の企業(89%)が、外部サプライチェーンのサステナビリティ指標を完全に可視化できていないと回答しています。
この調査について、SAPジャパン 代表取締役社長の鈴木 洋史は、次のように述べています。「ネットゼロへの競争は、多くの企業にとって外部要因に大きく影響されてきました。環境に優しいと見られる必要性、環境保護活動家の影響、あるいは規制の遵守などです。しかし、サステナビリティのビジネス上の理由は、もはやブランドの評判や倫理に関するものではなくなってきています。いまや、利益と目的の間に明確な相関性があるのです。
日本では、環境問題への投資の77%が横ばいまたは増加傾向にあります。したがって、お客様は、サステナビリティの信頼性を示すことができる企業と取引したいと考えていることがわかります。しかし、企業がデータ分析をサステナビリティ戦略と結びつけなければ、これは不可能です。SAPのようなテクノロジーパートナーと協力することで、企業はデータに確実にアクセスし、収集・分析し、サステナビリティの進捗を測定・情報提供し、世界に貢献していることを示すことができるのです」
以上
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