短期間で映像データの有効性を検証
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(代表取締役社長:柘植 一郎、本社:東京都港区、略称:CTC)は、本日から、エッジAIソリューションのPoC(Proof of Concept: 概念実証)を短期間で開始できるスターターパックの提供を開始します。カメラが読み取った映像データをエッジデバイスAIで解析する仕組みで、業務効率化に取り組む製造業やリテールなどの企業を中心に展開します。直接販売に加えて、パートナー企業経由の販売も行い、3年間で100件の提供を目指します。
近年、店舗や工場施設、オフィスなどでの省力化や自動化を目的として、カメラやセンサーを活用したIoTシステムを導入する企業が増えています。映像解析の技術も進み、映像から業務を可視化・データ化することで業務の改善やサービスの品質向上につながるツールとして、様々な場面での活用が期待されています。
今回のパッケージは、カメラとAI機能を持つエッジデバイス、データを収集・蓄積するクラウドサービス、ダッシュボードのBIツールが一体となったプラットフォームです。エッジデバイスは、AIによる画像解析のアプリケーションを組み込んだRaspberry Pi(ラズベリーパイ)※1で、カメラで撮影した映像データはデバイスで解析し、クラウドサービスに保存されます。解析結果のデータはグラフィカルなダッシュボード機能で可視化される仕組みで、大規模なシステムを構築することなく、本格的な導入に向けたエッジAIソリューションのPoCが短期間で開始できます。また、収集したデータは、解析後に削除される仕組みのため、個人情報を保有せずにプライバシーに配慮してPoCを実施することが可能です。
AIによる画像解析は、人の属性推定、既存の計器の自動読み取りなど、複数の解析から選択可能です。例えば、店舗内での映像から来店者の性別・年代、滞在時間などを分析し、商品の仕入れや陳列に関するマーケティングに活用することができます。また、工場内にあるアナログ・デジタル計器を読み取り、記録作業を自動化して、作業の効率化や人為的なミスの防止につなげることもできます。
アプリケーションの開発は、エッジAIの高速化において高い技術力を持つIdein株式会社(代表取締役:中村 晃一、本社:東京都千代田区、以下:Idein社)が担います。CTCは、2020年からIdein社と共同でAI/IoTソリューションの開発を進めており、今回のパッケージの提供に加え、データの活用や分析のシステム構築で培ったノウハウを活かして、PoCやデータ分析のコンサルティングサービス、技術支援サービスなどを提供します。
今後もCTCとIdein社は協業を進め、センシングやAIを活用したエッジコンピューティングソリューションを拡充し、お客様企業のDXや業務効率化に貢献していきます。
Idein社について
安価な汎用デバイスであるRaspberry Pi上での深層学習推論の高速化を実現した世界随一の高い技術力を有するスタートアップ企業です。当該技術を用いたエッジAIプラットフォームActcast(https://www.idein.jp/ja/actcast)を開発し、実用的なAI/IoTシステムを開発・導入・活用する開発者及び企業へのサービス提供を行っています。
活用事例のイメージ図
なお、今回のプレスリリースにあたり、以下のコメントをいただいております。
Idein株式会社は伊藤忠テクノソリューションズ株式会社の「エッジAIソリューションのPoCスターターパック」の提供開始を心より歓迎いたします。
Ideinは製造業・リテール企業様向けにエッジAIソリューションの提供実績を豊富に保有し、エッジデバイスの商用導入の累計台数は15,000台を超える規模にまで伸長しています。機密情報の保護とプライバシーへの配慮を実現し、またデータ通信量を小さくできるエッジAIは店舗・商業施設、生産現場との相性がよく、本スターターパックにより各社様でAI導入の検討が進むことは、デジタルトランスフォーメーション(DX)や生産性の改善が推し進められていくことにつながることと期待しています。
Idein 株式会社
代表取締役 CEO
中村 晃一
※1 ARMプロセッサを搭載した小型のシングルボードコンピュータ。Raspberry Pi OSには、プログラミング言語Pythonがインストールされているため、機械学習のアプリケーション開発には最適な環境
本件の参照先:https://www.ctc-g.co.jp/company/release/20221101-01493.html