川崎市と富士通株式会社（注1）（以下、富士通）は、脱炭素社会の実現に向けて、スマホアプリを活用し、市民や事業者の環境配慮型のライフスタイルへの行動変容を促す実証実験を2022年10月31日から2023年3月31日まで実施します。
本実証実験は、川崎市の居住者や在勤者を対象に、環境関連のキャンペーン・イベントへの参加やコンテンツ視聴などの行動に対して、協力事業者（注2）が提供する環境に配慮した商品のクーポンやサービス、アクティビティに交換可能なポイントを付与することで、市民や事業者の脱炭素社会に向けた自発的な行動にどの程度の影響を与えるかについて検証します。
本実証実験で活用するスマホアプリは、富士通が独自に開発したもので、実証参加者へのポイント付与および管理をはじめ、ポイントをスコア化してランキング表示する機能、日々の環境行動を記録し参加者同士で共有する機能、参加者一人ひとりの属性に応じたコンテンツ・キャンペーン・イベント情報を配信するレコメンド機能を備えており、参加者の行動変容の促進を支援します。
図．富士通が開発したスマホアプリの画面イメージ
背景
川崎市と富士通は、2021年に連携を強化した持続可能なまちづくりを目指す包括協定（注3）のもと、重点テーマの一つである「環境」について、市民や事業者が自発的に環境に配慮した行動を促進するための仕組みづくりを推進してきました。
本実証実験は、川崎市が高津区溝口周辺地域をモデル地区として脱炭素化に取り組む「脱炭素アクションみぞのくち」（注4）の一環で実施し、富士通が開発した専用のスマホアプリに実装した行動変容を促進する多様な機能の提供により、市民や事業者の行動変容への影響や有効性を検証します。
実証実験の概要
1. 実証期間
2022年10月31日から2023年3月31日まで
2. 対象者
川崎市居住者および在勤者
3. 実施内容
川崎市と富士通は、事業者の協力のもと、スマホアプリを活用して環境配慮型のライフスタイルへの行動変容を促す実証実験を実施します。
本実証実験の参加者は、富士通が開発した専用のスマホアプリを事前に取得し、利用にあたり、性別や年齢、居住地区など情報を登録します。川崎市が主催する企画や展示を通して学ぶことができる「脱炭素アクションみぞのくち広場」などのイベントや、実証期間中に各事業者が実施するエコイベントやワークショップへの参加および環境活動の紹介コンテンツの視聴、また、それらの自身の行動をアプリ内の日記に投稿することで、インセンティブとして、環境に配慮した商品やサービス、アクティビティに交換可能なポイントをスマホアプリ上で受け取ることができます。さらに、アプリに登録済みの属性や嗜好、実証実験中に実施した活動履歴をもとに分析された実証参加者の行動傾向に合わせて最適なキャンペーンやイベントの情報が得られるほか、実証参加者は貯まったスコアのランキングや日記の投稿を閲覧できます。これにより、実証参加者同士が一体となって活発な行動変容を目指します。
4. 役割分担
- 川崎市： 「脱炭素アクションみぞのくち」の推進および本実証実験における効果検証の結果を踏まえた施策検討
- 富士通： 本実証実験向けのスマホアプリの開発および運用、効果検証
- 協力事業者： 実証参加者向けのイベント実施やアクティビティ、スマホアプリに配信するコンテンツやクーポンの提供
今後について
川崎市は、今後も、市民や事業者の協力を得ながら、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速させ、持続可能なまちづくりを推進していきます。富士通は、本実証実験を通じて、都市の様々な情報をデジタル上で再現するソーシャルデジタルツイン（注5）の社会実装を進め、今後も高度化と改善を図ることで、脱炭素社会実現の加速に寄与していきます。
川崎市長 福田紀彦のコメント
川崎市は、脱炭素社会実現に向けて市域の炭素排出量を2030年までに2013年度比50％削減することを目標として掲げています。市民・事業者の行動変容を促進するため、脱炭素モデル地区「脱炭素アクションみぞのくち」を立ち上げ、脱炭素ムーブメントの創出に取り組んでいます。今回の実証実験など、多様な主体と協働して脱炭素社会の実現に向けて取り組むことで、持続可能で安心して暮らせる脱炭素化された都市へと変わっていけるよう、川崎のあらゆる力を集結し、強い意志を持って、取り組みを進めてまいります。
富士通株式会社 執行役員SEVP ヴィヴェック マハジャンのコメント
富士通は、「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく」というパーパスのもと、サステナブルな世界の実現を目指しています。川崎市と、最新のデジタルテクノロジーを活用した新たな「まち・暮らし」をデザインし、豊かな未来社会に向けて取り組みを加速させるとともに、ソーシャルデジタルツインを環境に加えて安全安心、健康といった様々な領域にも適用させることで、多様な社会課題解決に貢献します。
商標について
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
注釈
注1 富士通株式会社：本社 東京都港区、代表取締役社長 時田 隆仁
注2 協力事業者：Ethical&SEAアトレ川崎店（MKY's合同会社）、小田急電鉄株式会社、川崎キングスカイフロント東急REIホテル、株式会社サンオータス、サントリーホールディングス株式会社、スナイプバレー合同会社、株式会社チェンジ・ザ・ワールド、東急株式会社、東京ガスネットワーク株式会社、東芝未来科学館、日産自動車株式会社、株式会社ノクチ基地、株式会社福田商店、株式会社富士通ゼネラル、ヤマト運輸株式会社（川崎主管支店）
注3 川崎市と富士通との包括協定：川崎市と富士通、持続可能な未来都市の実現に向けて連携を強化（2021年6月23日プレスリリース）
注4 脱炭素アクションみぞのくち：2050年のカーボンニュートラルの実現を目指し、川崎市が2020年に策定した「かわさきカーボンゼロチャレンジ2050」における取り組みの一つ。
注5 ソーシャルデジタルツイン：人や物、経済、社会の相互作用をデジタルに再現し、社会の実態を把握することで、多様で複雑化する課題の解決に向けた施策立案などを支援する技術群。
関連リンク
実証スマホアプリ（Green Carb0n Club）の詳細について（こちらのサイトよりスマホアプリのダウンロードも可能です）