~生産設備の仮想試作・制御ソフト開発の作業工数を約66.7% 削減~
ラティス・テクノロジー株式会社 (代表取締役社長 鳥谷 浩志、以下、ラティス) は、仮想 3D モデルで生産設備の制御ソフトを検証する 「XVL Vmech Simulator」 の最新バージョン 「Ver. 13.1」 (以下、新バージョン) において、I/O (入出力) 表をもとに設備の動作テストを自動化する新機能の提供を開始しました。
近年の生産設備や自動機開発におけるリードタイム削減を目的に、様々なシミュレーションソフトや CAE 導入が進んでいます。ラティスは、設備開発におけるリードタイム削減とフロントローディング実現に向けて、PLC のラダープログラムで動かすことのできる 3D 制御シミュレータソフト 「XVL Vmech Simulator」 (以下、Vmech) を提供し、実設備が組みあがる前に制御ソフト動作を軽量 3D モデルで検証することを可能にしてきました。
制御ソフトのシミュレーションにおいては、設備や装置の立ち上げでは要求仕様書に従い PLC に接続された機器から信号が正しく送受信されているか動作テストを行います。この際、I/O 表をもとに手動操作と異常状態の確認、その後の復帰可能動作検証および結果記録に膨大な工数が発生しているという課題がありました。新バージョンでは PLC に接続した設備の 3D モデルに対して、I/O 表と Vmech にバンドルしている I/O モニタ (*1) を利用し、動作テストと正誤判定、および結果の記録を自動化する機能を開発しました。
(*1) Vmech 自身が保有する I/O の操作と監視が可能なツール。別途、通信領域を定義することで PLC の各デバイスと通信可能。
新バージョンは、設備装置開発の仮想試作・制御ソフト開発における 3D シミュレーション作業工数を従来比で約66.7% (*2) 削減します。具体的には、手動による設備の異常確認の手間や検証結果の記録作業を削減し、また、手動による操作ミスや記入漏れ防止による品質向上を実現します。この結果、設備の早期安定稼働と製品の市場投入が可能になります。
(*2) サンプルの XVL モデルの機構箇所 47個に対する、Vmech を利用した 3D シミュレーションの一連の流れ (スイッチ ON/OFF、動作確認、記録) を、従来 (=手動) と新機能 (=自動化) でそれぞれ実施した作業時間の結果。
尚、Vmech は 「現物の現実を、デジタルの 3D XVL モデルで再現し、設計の意図との差分を見える化する」 という、ラティスが提唱する “3D デジタルツイン” のコンセプトを体現しており、新機能はこれを加速させる機能です。一気通貫した 3D データ活用で、製造業のデジタルトランスフォーメーションにラティスは貢献していく考えです。
〈I/O モニタによる I/O チェックの自動化機能の概要〉
3D 制御シミュレーションソフト 「XVL Vmech Simulator」 が、操作したい I/O が各時刻でどのように変化するかを記載したタイミングチャートを取り込み、指定の入出力を自動操作します。さらに、指定した I/O の各時刻での想定状態を記載したタイミングチャートを取り込み、シミュレーション実行中に結果の正誤を比較しファイル出力します。これまで手動で行われてきた異常状態の再現や、異常状態でのプログラム品質の検証を自動化し、設備制御プログラムの品質検証の工数を削減することが可能です。
製品情報
- 製品名称: XVL Vmech Simulator
- 製品 URL: https://www.lattice.co.jp/products/lineup/vmech/
- バージョン:Ver. 13.1 (2022年6月27日から提供開始)
- 価格 (税別):ライセンス 4,000,000円 (別途、初年度より年間保守が発生)
- その他:PLC だけでなく、各社ロボットコントローラとの検証にも利用可能
用語説明
■ XVL® について
「XVL」 (eXtensible Virtual world description Language) は、XML (eXtensible Markup Language) をベースとした超軽量 3D 表現として、ラティスが提唱する表現形式です。XVL を用いることで、3D CAD などで生成されたデータを数百分の 1 にまで軽量化することができます。また、メモリが少ない環境で巨大な 3D データを高速表示する技術の実装により、ネットワーク環境での 3D データ共有に最適な形式です。現在、干渉チェック機能を搭載した DMU や 3D ビジュアル作業手順書を作成するソリューションが市場で高く評価されています。ラティスの XVL は世界中の自動車産業、航空機産業、電機産業等多くの製造業の企業で採用されています。3D データの精度と構成情報を保ちながら、軽量にデータ表現できるという特徴から、デザインレビュー、機構シミュレーション、工程設計、作業指示、部品表、イラスト作成などの用途に活用されています。製造業の大手では、3D CAD の普及により蓄積された 3D データの有効活用を目的に、XVL 製品を全社規模で導入するケースが増加し、国内外で急速に普及が進んでいます。
その他
- Vmech、XVL、3Dデジタルツインはラティス・テクノロジー株式会社の登録商標です。
- その他記載されている会社名および製品名は、各社の登録商標または商標です。
会社情報
- 商号:ラティス・テクノロジー株式会社 (Lattice Technology Co.,Ltd.)
- 本社:〒112-0004 東京都文京区後楽2-3-21 住友不動産飯田橋ビル10階
- 代表:代表取締役社長 鳥谷 浩志
- 設立:1997年10月
- 資本金 :7億円
- 事業内容: 超軽量3DフォーマットXVL関連ソフトウェアの開発・販売
- コンサルティングなど、3Dデータ活用のソリューションサービス提供
- URL : https://www.lattice.co.jp/