~世界トップクラスの先進技術活用力の獲得をめざす~
株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、2022年8月に世界6拠点に「イノベーションセンタ」を設立し活動を開始します。本センタは最新技術に対する感度が高い各国に拠点を設置し、5~10年先に主流となるであろう先進技術を見極め、お客さまとの共創R&Dを通し新たなビジネス創出に取り組んでいきます。
具体的には、技術戦略を策定する戦略本部と、日本・北米・イタリア・ドイツ・中国・インドのローカルセンタ6カ国で構成し、リサーチャー、コンサルタント、エンジニアを中心としたエキスパート100名の体制でスタートします。各拠点に技術戦略に基づいた技術テーマを設定し、先進的なお客さまとの共創R&Dを進めるほか、大学やスタートアップとの連携により、現地で先行する技術情報をいち早く収集し次の技術戦略に生かしていきます。
現在、先行して量子コンピューター・メタバース等の技術検証・顧客提案の取り組みを進めています。2025年度末までに300名体制に増強し、世界トップクラスの先進技術活用力の獲得をめざします。
背景
世界規模のウイルスの流行や戦争、環境変動などこれまで想像もできなかった課題に直面し、社会課題はより複雑に難しくなっています。一方、急速な技術の進化により人々の生活スタイルは変わり、あらゆる業界でのデジタル化が進み、事業モデルが揺さぶられ続けています。社会課題や経営課題の解決に向け、技術革新によるイノベーションがますます求められています。
社会や企業におけるIT技術の役割の変化に伴い、新しい形で提供される技術に価値が見いだされ、グローバルにおけるITプレイヤーも変わってきています。
NTTデータはこうしたグローバルでの激しい競争での競争力を強化するため、中期経営計画において、5~10年先を想定した技術を見極め新しいビジネス価値を創出する先進技術活用力の強化を進めています注1。そこで、今まで世界中に点在していたイノベーション人材を集結させ、世界の最先端技術を探索し、お客さまとの共創を推進する組織「イノベーションセンタ」を2022年8月に設立し、活動を開始します。
イノベーションセンタの役割
イノベーションセンタは、5~10年先に主流となりそうな先進技術(Emerging領域)の見極め(先進技術の目利き)を通して、世界トップクラスの研究開発チームとなることをめざします。また、先進技術の積極活用を志向するイノベーター顧客に対して提案活動と共創を行い、ユースケースづくりを世界各拠点で進めます。
戦略本部:
- グループ全体の中長期の技術戦略を策定し、実現に向けてローカルセンタ連携をコーディネートする役割を担います。
- 各ローカルセンタから戦略本部に集約された多数の技術候補から、各地域の技術・マーケット動向等を踏まえ、取り組みテーマを選定しR&Dを推進します。
ローカルセンタ:
- 検討・提案の活動拠点であり、R&D・プロトタイプ開発・各種ドメインのエキスパートを配置します。
- 戦略本部の方針をもとに先進技術の可能性を探り、国内外のイノベーター顧客との関係構築・共創型のR&Dを推進します。
- 先進技術の目利きとして、大学・スタートアップとの関係強化を進め、現地で先行する技術情報を幅広く収集します。
主な取り組みテーマ(2022年8月時点)
イノベーションセンタでは、下記の技術テーマに取り組みます。なお、テーマは技術の選定結果により、随時追加・変更を検討します。
- 日本:NTT研究所技術:ゲノム、メタバース、量子コンピューター
- 北米:顧客接点関連技術:デジタルヒューマン、スマートシティプランニング
- イタリア・ドイツ:データ処理・シミュレーション技術:量子コンピューター、デジタルツイン
- 中国:ハードウエア関連技術など:リモートセンシング技術(LiDAR)、メタバース
- インド:(※インドはプロトタイプ開発の拠点としての体制づくりを進めています。)
今後について
イノベーションセンタは、2022年度、グローバルでの連携体制を強化し、先進技術ノウハウの蓄積、顧客との共創パートナーシップを目標に活動を行います。
2025年までに、先進顧客との中長期R&Dパートナーシップを50件以上創発することを目標とします。
注釈
注1 2022年5月12日ニュースリリース「NTTデータグループの新中期経営計画について」
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2022/051201/
注2 PoC(Proof of Concept)とは「概念実証」のことで、新たな概念やアイデアの実現可能性を示すための簡易な試行のこと
文中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件の参照先:https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2022/081900/