2022.11.10:日本設計と Autodesk、国内の BIM 本格的普及に向けて包括契約を更新


株式会社日本設計と、米国 Autodesk 社は、2021 年 10 月に、3 度目の包括契約(EBA ※1 Enterprise Business Agreement)の更新を行いました。

両社は、2014 年 9 月より、次世代 BIM の実現を目指してパートナーシップを結び、建物のライフサイクルを通じて、オーナー、利用者に BIM の最大限の効果をもたらす建築、都市環境を提供すべく協働で活動を行ってきました。この度の更新により、国内での非競争領域の標準化を推し進め、BIM を国内で本格的に普及していくために、引き続き協業していきます。

業務の効率向上を実現するため、デジタル統合の最適化・標準化および設計・施工・運用でのデータ連携が重要になってきます。両社は今後の実行プランにより、国内の本格的な BIM 普及の実現と、建設業への DX 推進、カーボンオフセット実現に向けて寄与していきたいと考えています。

将来的には、Autodesk のクラウドプラットフォーム(Autodesk Forge®)を発展させ、業界の垣根を超えた融合(コンバージェンス※2)による新たな価値を提供していきます。

業界の標準化に向けて、両社にて協業したこの 3 年間の到達点、日本設計での取り組み、今後 3 年間のテーマと実行プランは以下の通りです。

1.BIM のワークフローの確立

<これまでの取り組み>

  • 2018 年(令和元年)に建築 BIM 推進会議が設置され、国内の BIM 普及が加速する中で、BIM により設計や監理を行うための「設計 BIM ワークフローガイドライン 建築設計三会 第 1 版」が取りまとめられました。これは、初年度に建築 BIM 環境整備部会で検討が行われ、公開された「建築分野における BIM の標準ワークフローとその活用方策に関するガイドライン(第 1 版)や、別添参考資料(たたき台)」の内容を検証し深度化させ、設計をする上での BIM ワークフローを定めたものです。
  • 日本設計は、建築 BIM 推進会議の各部会や各団体の活動に積極的に関わり、国内の BIM 標準化整備に全面的に協力しています。
  • 国内 BIM 標準化の流れの中、メーカーの BIM オブジェクト提供を促し監修することで、設備や電気の大手メーカーを中心に提供が開始されてきています。

<今後のテーマと実行プラン>

  • 国内への BIM ワークフローの定着を図るために、建築 BIM 推進会議の各部会や建築設計三会等の関係団体での活動を通じて、大手企業以外の第 2、第 3 陣のBIM 活用を後押しします。

2.建物の高品質化・高性能化に寄与する BIM の構築

<これまでの取り組み>

  • 意匠・構造・設備の分野が共に、Autodesk® Revit による同一プラットフォームでの BIM 活用の仕組みを構築し、共通のデータ環境として Autodesk® BIM 360® のクラウド環境を利用することで、情報共有が容易になっています。
  • 実施設計の成果図書を BIM で作成した案件も徐々に増えてきました。超高層や大型案件においても、基本設計を中心に活用が進んできています。
  • 世界でも遅れていた電気 BIM について、国内で利用可能な電気系 BIM オブジェクトの整備や、国内電気メーカーからも照明シミュレーションやバスダクトが提供され、実プロジェクトでの活用も始まっています。
  • BIM と省エネ適合判定を行う WEB プログラムとを連携可能な仕組みを構築し、2021 年 9 月より実運用を開始しました。

<今後のテーマと実行プラン>

  • BIM の本格運用に向けて、意匠・構造・設備分野の連携をさらに深め、合理的な BIM プロセスを確立し、BIM に適した図面表現の完成を目指します。
  • BIM の本格運用に向けて、さらなる社内体制構築と社内教育の推進を着実に進めていきます。
  • Autodesk Insight の活用など、BIM と連携可能なエネルギーシミュレーションを実用化し、エネルギー効率や環境への最適化に配慮したデザインを促進していきます。

3. DX 推進とビックデータの活用

<これまでの取り組み>

  • BIM の標準化を推進してきたことで、建物データベースの骨格を整備することができ、ビックデータ活用の基盤が整いつつあります。
  • BIM を基盤とするデジタルデータ連携の仕組みを試行し、今後のデジタルデータ基盤整備の足掛かりをつくりました。

<今後のテーマと実行プラン>

  • BIM と連携可能な設計データベースの整備を行い、コスト概算システムや仕様書との連携を実現していきます。
  • 全社的に進めている次世代デジタル基盤構想の実現に向けて、様々な部門とのコラボレーションを促進し、創造力と品質力を高め、さらなる価値を提供します。
  • 国土交通省が主導する PLATEAU(プラトー)での都市モデルデータとの親和性を高め、様々な利活用につなげていきます。
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左:日本設計 代表取締役社長 篠﨑 淳
右:Autodesk, Inc. アジアパシフィック アカウント
営業本部 シニアディレクター ルー・グレスパン

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<BIM とデータベース連携>

※1 EBA:大企業ユーザ向けの包括契約。 EBA 契約締結により、オートデスクの製品やクラウドサービス、テクノロジーを自由に切り替えて利用可能な Token Flex と呼ばれるライセンスが提供される。Enterprise Business Agreement の略。
※2 コンバージェンス:個々に分断されているテクノロジーやプロセス、データを融合することで、新たな製品やサービス、エクスペリエンスを創出し、業界そのものを変革していくこと。

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本件の参照先:https://blogs.autodesk.com/autodesk-news-japan/nihonsekkei-eba-renewal/

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