~3DA モデルを活用して、製造 DX を支援~
日本ユニシス・エクセリューションズは、3DA データのエンジニアリングツール「3DAviewmeister (スリーディーエー・ビューマイスター)」の新バージョン V2.0 を、2021 年 11 月から販売開始し ます。
3DAviewmeister は、3D モデルおよび 3DA モデル(注 1)の閲覧機能に、計測、注記などの機能を加 えた 3DA 可視化ツールです。設計工程の情報である CAD(注 2)の 3D 幾何情報に加えて、PMI 属性(注 3)、レイヤー、グループを保持します。さらに設計後工程の情報である NC データ(注 4)や計測データ、 解析データなども重ねて表示することができ、従来の図面作業から 3D モデルを使った完全なデジタ ル生産に移行できます。 日本ユニシス・エクセリューションズは、今後も市場動向や顧客の声を製品に反映させ、 3DAviewmeister の機能強化・改善を積極的に行い、製造業における DX を支援します。
【開発背景】
製造現場では、ハードウエアやソフトウエアの性能が向上したことにより、CAD を活用した 3 次元 設計が普及してきました。最近では、製造業の DX(デジタルトランスフォーメーション)が活発に なり、エンジニアリング全体に、デジタルデータの活用が広がっています。これに伴い、3D データ に寸法や注記、公差(許容差)、属性などの PMI を付加した 3DA データを流通させ、自動化などの 効率改善に取り組むケースが増えてきました。また自動車や電気精密業界では、業界共通の 3DA 運 用ルールを作成する活動が始まっています。
「3DAviewmeister」は 3DA をベースとして、さまざまな工程で定義される付帯情報を合わせて可 視化する事により、3D 正(3D データを正としたプロセス改善)を支援し、MBD(注 5)化を行うエン ジニアリングツールです。
今回提供開始となる「3DAviewmeister V2.0」は、使いやすさの追究と、デジタル検図や加工、計 測などの工程で、3DA データの活用を拡大するための機能を充実させました。
【バージョンアップ機能】
「3DAviewmeister V2.0」で強化した主な機能は、以下の 4 点となります。
- グループ対応
グループ単位での表示 ON/OFF、グループ色モードでの表示が行えるようになりました。グルー プには階層構造を持たせることができ、Windows エクスプローラーに似た操作により、表示 ON/OFF が行えます。この機能により、部品をグループ単位で管理できるようになり、3D デー タの視認性が向上しました。
- 3D 解析評価機能
3D データの投影面積や勾配角度(テーパー)を求め、それらの結果を注記として 3D データ上 に表示します。勾配角度は、カラーマップ表示することもできます。投影面積機能は、調達部門 における調達価格決めに活用できます。勾配角度機能は、上流工程から受け取った部品の確認を 容易にします。 - 画像取り込み
画像を取り込み、3D データに重ね表示できるようになりました。製作、トライ(試作)、量産な どの現場で撮影した現物の不具合状態の画像を、3D データに重ね表示することで、不具合の原 因分析や対策検討に活用できます。 - 簡易工具移動表示
NC データを取り込み、3D データ上に経路を表示できます。経路は加工順に表示されるので、 工具移動の様子が確認しやすく、一時停止/再開、早送り、巻戻しなど、ビデオを再生するのと 同じような感覚で操作することができます。
【今後の取り組み】
次バージョンでは、JT 形式 (注 6) や STEP 形式 (注 7) の入力インタフェース、CADmeister(キャドマ イスター)データを直接入力する機能を提供予定です。顧客の使いやすさを実現するために、クラウ ドサービスや PC だけでなくタブレット端末でも稼働できるように、マルチプラットフォーム化を進 めます。
【販売計画】
日本ユニシス・エクセリューションズは、「3DAviewmeister」販売において、今後 2 年間で 380 ラ イセンスの出荷を見込んでいます。
以上
注 1: 3DA モデル(3D Annotated Model:3 次元製品情報付加モデル)
3次元 CAD で作成した 3D モデルに、構造特性(寸法・注記・数量など)を加えたデータです。 必要に応じて、モデル管理情報(モデル名、業務名/工事名、施設名、作成年月日など)や2 次元図面情報が追加されます。これらのデジタル情報の総称を「3DA モデルおよび 3DA デー タ」と呼びます。
注 2: CAD(Computer Aided Design:コンピューター支援設計) コンピューターを用いて設計すること、またはコンピューターによる設計支援ツールのことで す。製品の形状、その他の属性データからなるモデルを、コンピューターの内部に作成し、解 析・処理することによって設計を進めます。
注 3: PMI(Product Manufacturing Information:製品製造情報) 3D データに付加される製品製造情報のことです。
注4: NCデータ(Numerical Controlデータ:数値制御データ) NC 工作機械を制御するためのデータのこと。
注5: MBD(Model Based Definition:モデルベース定義) 製品の定義に必要なデータすべてを効率的に含めて 3D モデルを作成する手法です。モデルベ ース定義を活用すると、従来の図面での作業から 3D モデルを使った完全なデジタル生産に移 行できます。3D モデルを信頼できる唯一の情報源とすることで、製品チームは貴重な時間を 節約できるようになります。
注 6: JT(Jupiter Toolkit)形式
ISO(国際標準化機構)で定められた、3D 製品定義データの取り込みと再利用を可能にする、 製造業界向けの高性能で軽量、柔軟なファイル・フォーマットです。拡張子は(*.jt)です。
注 7: STEP(Standard for the Exchange of Product Model Data)形式
ISO(国際標準化機構)で定められた、異なる CAD ソフトで設計したデータをやり取りするための仲介役を果たす中間ファイルの形式です。拡張子は(*.step、*.stp、*.stpx)などです。
※3DAviewmeister、CADmeister は、日本ユニシス・エクセリューションズ株式会社の登録商標で す。
※その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。 ※掲載の情報は、発表日現在のものです。その後予告なしに変更される場合がありますので、あらか じめご了承ください。
■関連 URL
3DA ビジュアリゼーション(可視化)ツール「3DAviewmeister」
https://www.excel.co.jp/3daviewmeister/
3 次元統合 CAD/CAM システム「CADmeister 2021」
https://www.excel.co.jp/cadmeister/
本件の参照先:https://www.unisys.co.jp/news/nr_211116_uel_3daviewmeister.pdf