10万を超える設計パターンを数秒~数分間で評価! 開発期間の短縮に貢献します。
サイバネットシステム株式会社(本社:東京都、代表取締役 社長執行役員:安江 令子、以下「サイバネット」)は、Neural Concept SA(ニューラル・コンセプト、本社:スイス、以下「Neural Concept社」)が開発する深層学習によるAI構築ツール「Neural Concept Shape(ニューラル・コンセプト・シェイプ、以下「NCS」)」の取り扱いを日本で初めて開始することをお知らせします。
NCSの特長
圧倒的なスピードで、解析専任者レベルのシミュレーション結果を算出
CAE は、複雑化・高度化する昨今の製品設計の評価に欠かせない技術として、広く利用されています。一方、CAE は解析時間が長いために、設計を追加検討したくても、時間的な制約から追加の設計変更を見送らなければならないことがあります。その結果、検討が十分に行えないまま、試作・試験段階に進まざるを得ず、手戻りが発生してしまうという悪循環に陥ることもありました。
NCSはCAE専任者が利用したCAD/CAEデータを学習して、圧倒的な速さで設計評価を行う深層学習用AI 構築ツールです。通常のCAE なら数時間かかる高精度なシミュレーション結果を数秒~数分間で得ることが可能となります。設計の検討回数やパラメータの種類/数を制限することなく迅速に設計変更に活かせるため、製品の品質向上のみならず開発サイクルの短縮にも貢献します。
<Neural Concept Shapeの主な特長>
- 高精度なシミュレーションを可能にする独自の3D Geometric Convolutional Neural Network※1を採用
深層学習というと、大量の画像データを読み込ませて認識させるような2次元利用が一般的ですが、NCSのコア技術は3次元の畳み込みニューラルネットワーク※1をベースにしています。入力された3次元形状の幾何学的特性を忠実に学習すると同時に、高精度な物理シミュレーションの3次元分布結果も学習することができます。それにより、学習モデル構築後は直接新規形状データを入力することで、その形状に基づいた3次元分布結果を予測できます。 - CAE解析専任者の知見を最大限活用
NCSは深層学習により、学習用解析データを作成したCAE専任者の知見まで取り入れたAIを構築できます。解析の知識が浅い設計者でも専任者と同等のシミュレーション結果を得ることが可能です。 - 圧倒的に速いシミュレーション速度
解析済みのCAEデータを利用することで、10万を超える設計パターンでも数秒~数分間で高精度な評価が可能です。 - すべてのライセンスにクラウド版Webアプリケーション(Microsoft Azure※2等を利用)を適用
NCSを実行するためにスペックの高いマシンを用意する必要はなく、インターネット環境さえあればどこからでもシミュレーションを実行できます。これにより環境構築に掛けるリソースや運用中の消費電力を削減できます。
AI構築用学習データ作成受託サービス
AI構築用に精度の高いCAE/CADの学習用データが不足している場合、経験豊富なサイバネットの解析エンジニアがデータ作成の代行を承ります。またお客様の解析データを使用し、NCSでAIを構築して予測精度の検証(PoC)を実施することも可能です。詳細は以下までお問い合わせください。
CAE事業本部 DXソリューション事業部 IoT/AIサービス室
E-MAIL: AI-support@cybernet.co.jp
Neural Concept社 CEO、Pierre Baqué氏のコメント
深層学習は多くの科学技術分野に大革命をもたらしていますが、CAE/CADや形状処理はいまだにほとんどが従来のプロセスに頼っています。
深層学習のパワーをすべての設計者が享受できるよう、私たちNeural Conceptの研究チームはCADやシミュレーションデータの処理に特化したNeural Concept Shapeを開発しました。
Neural Concept Shape の日本での販売開始において、サイバネットシステムは大変心強いパートナーです。両社ともに協力しながら、日本のお客様の課題解決にAIで貢献していきたいと考えています。
価格について
NCSには、AIの構築及び利用ができる「Shape Expertライセンス」と、AIを利用してシミュレーションを行える「Shape Productionライセンス」という2種類のライセンス形態があります。
価格は、ライセンス形態や使用期間によって異なります。個別にお問い合わせください。
NCSの詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/iot/products/neural_concept_shape.html
注釈
※1: Convolutional Neural Network(畳み込みニューラルネットワーク):人間の視覚野を模倣し、畳み込み層、プーリング層、全結合層で構成されるニューラルネットワークを指す。特に画像のような形状データの認識を得意とするアルゴリズム。
※2: Microsoft Azure:マイクロソフト社が提供する、サーバーをインターネット上で管理できるクラウドプラットフォーム。
Neural Concept社について
Neural Concept社は、スイス連邦工科大学ローザンヌ校から生まれたスタートアップ企業です。欧州を中心に、自動車、航空、電子部品、エネルギー、船舶、建設、3Dプリンターなど多くの企業における Neural Concept Shape の導入/活用を支援しています。 Neural Concept SAに関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
https://neuralconcept.com/
サイバネットについて
サイバネットシステム株式会社は、CAE※のリーディングカンパニーとして30年以上にわたり製造業の研究開発・設計関係部門、大学・政府の研究機関等へソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティングを提供しています。また、IT分野では、サイバー攻撃から情報資産を守るエンドポイントセキュリティやクラウドセキュリティなどのITセキュリティソリューションを提供しています。近年では、IoTやデジタルツイン、ビッグデータ分析、AI領域で、当社の得意とするCAEやAR/VR技術と組み合わせたソリューションを提案しています。
企業ビジョンは、「技術とアイデアで、社会にサステナビリティとサプライズを」。日々多様化・複雑化する技術課題に向き合うお客様の課題を、期待を超える技術とアイデアで解決し、更にその先の変革へと導くことを目標に取り組んでまいります。
サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/
※CAE(Computer Aided Engineering):ものづくりの研究・開発工程において、従来行われていた試作品によるテストや実験をコンピュータ上でシミュレーションし分析する技術。試作や実験の回数を劇的に減らすことで、開発期間や資材コストを大幅に削減できるメリットがある。
本件の参照先:https://www.cybernet.jp/company/about/news/press/2021/20211029.html