株式会社図研(神奈川県横浜市、代表取締役社長 勝部 迅也、以下図研)は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の設計に最適化されたCADシステムとして「MEMS Designer」を新たに開発し、このたび販売を開始しました。
MEMSは、一つの半導体基板上に電気回路とマイクロメートル(1mの100万分の1)スケールの微細な機械部品(センサー、高周波部品、アクチュエータ)などを集積させた超小型デバイスであり、構造の微小化により機器の小型化や省電力化が可能となることから、スマートフォンやタブレット端末から自動車、ワイヤレスイヤホン、ウェアラブル端末などその用途が拡大しています。代表的なMEMSとしては、加速度センサーやSAWフィルター/BAWフィルターなどがあります。小型・高性能化、高信頼性が求められる電子機器開発においてMEMSモジュールの役割は今後より一層重要性を増していくと考えられます。
【MEMSモジュール開発に最適化した設計システム】
図研の「MEMS Designer」は、半導体上の微細な構造物からなるMEMSの設計とその周辺回路や他半導体チップや部品の実装を支援し、MEMSモジュール設計を総合的に支援するCADシステムです。
現状のMEMS設計環境は、MEMS設計/検証、モジュール設計/基板設計の工程ごとに、パッケージ設計ツールやPCBレイアウトエディターなど、さまざまな異なるツールを組み合わせて設計しています。そのため、設計者は多種多様なツールを使いこなさなければならないだけでなく、異なるツール間のデータ連携が設計者の大きな負荷となっています。
MEMS設計環境に図研の「MEMS Designer」を適用することで、同一プラットフォーム上でMEMSモジュール設計の統合環境が実現できます。これにより、半導体内部の微細な機械構造データの高速な描画編集、メカ部品や電子部品を含めた高精度なモジュールの設計検証、MEMS/モジュール/PCBの異なるレイヤ間の協調設計と解析連携が可能となります。
【MEMS Designerの特長】
MEMS DesignerはMEMSモジュール設計固有の半導体内部の微細構造に適した以下、6種類の特長を備えています。(*印:開発中の機能)
- 効果的な協調設計
- 同一プラットフォーム上でのMEMS/モジュール/PCB設計*
- 全体最適化を支援する協調設計機能*
- 高精度の半導体微細設計
- 高速な描画
- 高精度の編集
- 豊富な図形演算/細やかなセル操作のコマンド
- 高機能高精度の半導体検証
- 高精度な半導体上のDRC
- 高速正確な半導体図形演算
- 疑似エラーのスクリーニングによる効率的検証
- 直感的な半導体上の接続性検証
- 直感的な3D表示機能
- マスクイメージの直感的3D表示*
- 半導体上の構造物に関する直感的かつダイナミックな3D表示と検証*
- 手間のかからない解析用データ準備
- データの自動簡略化*
- MEMSデータをモデルに置き換えてシステム全体をエクスポート*
- 高いオープン性と親和性
- 設計を効率化するスクリプト機能
- 柔軟な設計フローへの対応SDK
【MEMS Designerの基本製品構成】
下記の3つのソフトウェアから構成されます。
- Design Force
- SoC/PKG/PCB Co-Design
- MEMS Design
MEMS Designerは、図研のPCB設計ツール CR-8000 Design Forceに、SoC/PKG/PCB Co-Design、MEMS Design の2つのオプションソフトウエアを加えたバンドル製品です。