30年以上にわたる光学の知識・経験を活かし、Ansysソリューションを通じてこれからもお客様の光学設計・開発課題解決に貢献します!
サイバネットシステム株式会社(本社:東京都、代表取締役 社長執行役員:安江 令子、以下「サイバネット」)は、ANSYS, Inc. (本社:米国ペンシルベニア州、以下「Ansys(アンシス)」)が開発・販売・サポートする光学CAEソリューションの販売および技術サポートを、2021年10月2日から開始しました。
サイバネットはこれまでに培った知識・技能を生かし、Ansys光学CAEソリューションを通じてこれからも国内外のお客様の光学設計・開発課題の解決に貢献いたします。
光学・照明およびVRソリューション
3次元光学解析ソフトウェア「Ansys Speos®(アンシス・スペオス、以下「Speos」)」
「Speos」は、3次元ダイレクトモデラー「Ansys SpaceClaim®(アンシス スペースクレイム)」や、NX※1およびCreo Parametric※2などの3D CAD上で高速な光学設計・解析を可能にするツールです。3D CAD上で光学製品の各部品における光の反射、レンズの曇りや映り込み、また素材による透過具合などの物理現象を正確に定義し、モデル全体の光学性能を高速にシミュレーションできます。これにより、精密さが要求される光学系製品の品質向上および開発期間短縮に寄与します。
さらにAnsys Workbench※3内で他のAnsysソフトウェア※4群と連成させることで、波動光学※5の影響を含んだ光学シミュレーションや光が起因の熱解析シミュレーション、紫外線による殺菌シミュレーションなど様々な物理現象の評価が可能です。
VRソリューション
「Ansys VRXPERIENCE™(アンシス・ブイアールエクスペリエンス、
以下「VRXPERIENCE」)」
VRXPERIENCEは、大きく分けて2つのVR評価ソリューションからなります。1つ目は、照明で照らされた空間をまるで現実のようにVR空間で可視化し、見栄えやUX(ユーザー体験)が評価できるソリューションです。2つ目は、ドライビングシミュレーターと連携してヘッドランプや自動運転用センサーの挙動などを仮想環境で評価できるソリューションです。Speosを用いた物理法則に基づく光学シミュレーション結果を利用するため、実際の物理現象に忠実な結果を素早く確認できます。これにより、実試験やプロトタイプ作成の頻度を削減することができ、開発期間やコストの削減が期待できます。
Speos、およびVRXPERIENCEの詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/speos/
光(フォトニクス)デバイス設計ソリューション
フォトニクス解析ソフトウェア
「Ansys Lumerical(アンシス・ルーメリカル、以下「Lumerical」)」
Lumericalは、フォトニックデバイスおよびシステムを解析するための統合的なソリューション群です。光ネットワークやその他フォトニクス分野の設計開発現場における現象を解析・把握します。また、PythonやMATLAB®※6とのAPIや独自スクリプト言語を使うことで、ユーザーの環境に合わせた解析の自動化/設計変数の最適化/機能拡張を実現し、試作や再現実験の回数や時間、コストを大幅に削減します。
各種EDA(Electronic Design Automation)ソフトウェアやSpeos、Zemax※7等の幾何光学解析ソフトウェアとの連携機能があるため、製造現場に取り入れやすく、結像光学※8・照明光学系の設計にも利用できるのも特長です。
- デバイス解析ツール「DEVICE Suite(デバイス・スイート)」:一般的な回折格子や光ファイバはもちろん、トレンドのメタレンズ※9、LiDAR※10、マイクロLED※11などの光学デバイスのシミュレーションを行います。電磁光学をベースとした多数の解析ソルバーから構成されているため、多様な形状・サイズ・動作特性を持つフォトニックデバイスの解析が可能です。
- システム解析ツール「SYSTEM Suite(システム・スイート)」:光トランシーバー、5G通信、PIC(光集積回路)などの光システムのシミュレーションを行います。特に解析が困難な、マルチモードファイバ※12や双方向/ マルチパスの伝搬特性を持つ光回路・システムの時間領域・周波数領域でも解析が可能です。
Lumericalの詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/lumerical/
アンシス・ジャパン株式会社
カントリーマネージャ 大谷 修造氏のコメント
サイバネットシステムのソリューションラインナップにAnsysの光学CAE製品群が加わることを大変嬉しく思います。自動運転や5G/IIoTの実現に向けた次世代製品開発において光デバイスやフォトニックデバイスのシミュレーションの重要性は増大しています。アンシス・ジャパンは、光学CAEソリューションの分野においてもサイバネットと強固な協力体制を組み、お客様の課題解決に貢献してまいりたいと思います。
サイバネットシステム株式会社
代表取締役 社長執行役員 安江 令子のコメント
サイバネットは36年の長きにわたり、光学系ものづくりを支援してまいりました。また、Ansysソフトウェアについても同様に、長年の販売・サポート経験、知見を持っております(※)。このたびのAnsys光学CAEソリューションの販売・サポート開始に伴い、これまでに得た幅広い知識・経験をもって、アンシス・ジャパンとの協力関係をさらに深め、これからもお客様のビジネス発展に貢献してまいりたいと思います。
※サイバネットは、国内の代理店では初めて7年連続で「Ansys Elite Channel Partner」の認定を受けております。
注釈
※1: NX:Siemens Product Lifecycle Management Software Inc. 社製3次元CAD「NX」。
※2: Creo Parametric:PTC社製3次元CAD「PTC Creo Parametric」。
※3: Ansys Workbench:ANSYSが開発したAnsysソフトウェアの統合操作環境。構造解析、熱流体解析、電磁界解析など主要な解析機能が搭載されている。
※4: Ansysソフトウェア:構造・熱流体・電磁界・回路・システムなどのさまざまな物理現象やそれらを組み合わせた連成問題を目的に合わせて柔軟にシミュレーションすることができる、マルチフィジックス解析ソフトウェア。
※5: 波動光学:光を波動として取り扱う光学であり、干渉、回折、偏光などの現象を説明することができる。
※6: MATLAB:MathWorks社製数値計算プラットフォーム。
※7: Zemax:Zemax, LLC社が開発・販売する光学設計解析ソフトウェア。
※8: 結像光学:レンズを用いて光源の像を対象面上に転写する光学系。
※9: メタレンズ:平面上にサブ波長レベルの微細な表面加工を施して、光の位相を制御しレンズのような集光作用を持たせた光学素子。光学素子の薄型化、小型化が期待でき、微細加工技術の高まりと共に近年盛んに研究/開発が行われている。
※10: LiDAR:レーザー光を利用した光センサー技術。
※11: マイクロLED:サイズが100μm(10-4m)以下の非常に小さなLED。ディスプレイの高精細化のために注目されている発光素子。
※12: マルチモードファイバ:異なる空間モードが混在して伝播することができる光ファイバの種類。多数のモードに信号を多重化できるため、大容量の信号伝送が可能。
サイバネットについて
サイバネットシステム株式会社は、CAEのリーディングカンパニーとして、30年以上にわたり製造業の研究開発・設計関係部門、大学・政府の研究機関等へ、ソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティングを提供しています。また、IT分野では、サイバー攻撃から情報資産を守るエンドポイントセキュリティやクラウドセキュリティなどのITセキュリティソリューションを提供しています。近年では、IoTやデジタルツイン、ビッグデータ分析、AI領域で、当社の得意とするCAEやAR/VR技術と組み合わせたソリューションを提案しています。
企業ビジョンは、「技術とアイデアで、社会にサステナビリティとサプライズを」。日々、多様化・複雑化する技術課題に向き合うお客様の課題を、期待を超える技術とアイデアで解決し、更にその先の変革へと導くことを目標に取り組んでまいります。
サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
https://www.cybernet.co.jp/
本件の参照先:
https://www.cybernet.jp/company/about/news/press/2021/20211004.html