~使いやすさの追究と 3D 設計の最適化により、高効率化と品質の安定化を支援~
日本ユニシス・エクセリューションズは、3 次元統合 CAD/CAM システムの新バージョン「CADmeister 2021(キャドマイスター 2021)」を、2021 年 9 月から販売開始します。
CADmeister は、2005 年 7 月に販売を開始し、国産唯一の 3 次元統合 CAD/CAM システムとして、 金型メーカーを中心に、累計で 30,000 シート以上採用されています。 日本ユニシス・エクセリューションズは、今後も市場動向やお客さまの声を製品に反映させ、 CADmeister の機能強化・改善を積極的に行い、製造業における国際競争力の維持拡大、設計/生産 業務のさらなる効率化に貢献します。
【概要】
今回提供開始となる「CADmeister 2021」は、使いやすさを追究するとともに、IoT や解析技術と 連携して、設計の標準化・自動化に加え、3D 設計の最適化を支援します。3D 設計のメリットを最 大化することで、ものづくりの 3D 化を加速し、作業者スキルに依存しない高効率な設計と品質の安 定化を支援します。
【バージョンアップ機能】
「CADmeister 2021」で強化した主な機能は、以下の 4 点となります。
1.使いやすさの追究
様々な角度からお客さまの作業を見直し、3D 形状データや情報の視認性向上、および直感的操作に よるマウス移動量の削減を実現しました。ストレスフリーな操作環境を提供します。
- スケルトン表示機能(注 1)
シェーディング状態 の立体を一時的に半透明表示にし、立体内部の要素の選択を可能とし ました。 - ラジアルメニュー
要素選択や表示切替などの操作が、放射状のメニュー表示であるラジアルメニューで選択できる ようになりました。従来メニューよりもマウス移動量を削減することができます。
2.3D 設計の最適化支援機能の拡張
- IoT-Visualization機能拡張 (注2)
成形現場での実態を IoT 技術で計測し、1 ショット分 のセンサーデータを 3D 空間上で色 付きの矢印で可視化します。たとえば応力の掛かる方向と値に応じた色表示や温度の変化を、3D CAD データ上で矢印表示することで、全体傾向が把握できるようになり、設計の最適化が可能 となります。
3.プレス金型設計、樹脂金型設計向け金型設計専用機能の強化
- 成形解析結果を参照した金型たわみ解析(プレス金型)
近年、車両ボディへのハイテン材(注 3)の採用が増加しつつある中、トライアウト(注 4)の結果が 成形解析結果どおりとならない原因は、ハイテン材の金型がたわんでいるためと推察されます。 本機能の活用により、それらの改善が期待できます。 - 離型解析機能(樹脂金型)
金型から離型する際に発生する成形不良(変形、白化など)の原因と対策を考察・検証できる機 能をリリースしました。設計者のエジェクタピン(注 5)配置位置の妥当性検討を支援するととも に、成形不良の早期発見によるコスト削減を促進します。 冷却工程、型開工程、突出工程の順に解析実行し、結果を表示します。- 冷却工程では、製品形状の収縮およびキャビティ側・コア側(注6)への抱きつきを確認でき ます。
- 型開工程では、型の移動による製品とキャビティ側・コア側の接触状態を確認できます。
- 突出工程では、突出し中の製品とコア側との接触状態やエジェクタピンにかかる荷重のバラツキを確認できます。
4.NC 加工データ自動作成機能の強化
加工ノウハウを蓄積したデータベースを活用することで、作業者に依存することなく、安心・安全な 加工データを作成できるようになり、データ作成工数の削減に貢献します。
- 自動加工設計機能 既存機能である曲面加工データと同様に、プロファイル加工データも加工属性(面色、線色)を もとにした加工パスの自動作成が可能になりました。1つの形状データから曲面加工とプロファ イル加工のデータ作成が可能になり、加工順序の最適化も一括して行うことができます。
- 穴加工工具最適化機能 穴あけ加工に使用する工具と製品形状との工具干渉をチェックして、候補工具から工具干渉を回 避する工具を自動設定できるようになりました。工具の自動設定は 2 種類あり、すべての穴に対 して干渉回避する工具を一つだけ選ぶ設定と、各穴に 1 つ最適な工具を選ぶ設定があります。
日本ユニシス・エクセリューションズは、「CADmeister 2021」販売において、CADmeister を既に 導入しているユーザーを含めて、今後 1 年間で約 5,300 ライセンスの出荷を見込んでいます。
以上
注 1:シェーディング
3 次元コンピュータグラフィックスやイラストレーションなどで明暗のコントラストで立体感を 与える技法。
注 2:1 ショット分
プレス機でパネルを打つ際に、上死点から下死点に向かって加圧し、再び上死点に戻るまでの 1 サイクルのこと。
注 3:ハイテン材
「High Tensile Strength Steel Sheets」を略した名称で、引っ張り強度が強い鋼材のこと。 板厚を減らしても、強度が確保できるため、製品の軽量化に適しているが成形が難しい素材であ る。
注 4:トライアウト
プレス金型製造工程の最終段階でプレス機に金型を取り付け、実際にパネルを成形することで動 きや完成パネルの精度を確認する作業。
注 5:エジェクタピン
「Ejector」+「Pin」=「押し出す」+「棒」のことで、成形パーツを金型から排出するための棒。
注 6:キャビティ・コア
射出成形用金型を構成する部品。上型(凹側)がキャビティ、下型(凸側)がコアと呼ばれる。
■関連 URL
3 次元統合 CAD/CAM システム「CADmeister」
https://www.excel.co.jp/cadmeister/
※CADmeister は、日本ユニシス・エクセリューションズ株式会社の登録商標です。 ※その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。 ※掲載の情報は、発表日現在のものです。その後予告なしに変更される場合がありますので、あらか じめご了承ください。
本件の参照先:https://www.unisys.co.jp/news/nr_210909_uel_cadmeister.pdf