2021.9.8:ラティス、三菱電機 PLC シミュレータと直接連携、生産設備検証の「完全実機レス」シミュレーションを可能に


ラティス・テクノロジー株式会社 (代表取締役社長 鳥谷 浩志、以下、ラティス) は、生産設備の制御ソフトを仮想モデルで検証する 3D 制御シミュレータソフトにおいて、三菱電機株式会社 (以下、三菱電機) の PLC シミュレータと直接連携し、生産設備検証の完全な実機レスシミュレーションを実現する、新オプション「MELSEC GX Works Sim for Vmech」(以下、新オプション) の提供を、2021年9月8日(水) から開始します。

近年、製品開発でのリードタイム削減要求はますます高まり、生産設備においてもリードタイム短縮が求められる中、様々なシミュレーションソフトや CAE 導入が進んでいます。ラティスは、大規模設備 3D モデルを軽量な 3D データとして PLC のラダー (*1) プログラムで動かす 3D 制御シミュレータソフト 「XVL Vmech Simulator」 を提供、実設備が組み上がる前に制御ソフト動作を 3D モデルで検証し設備開発におけるフロントローディングとリードタイムの短縮を支援してきました。特に三菱電機の PLC (以下、シーケンサ) との通信ミドルウェア EZSocket (*2) を使用して独自の接続インターフェースを開発し、シーケンサ実機と直結してシンプルモーションユニットをはじめとした多様な機種に対応しています。 
*1.ラダー:PLC のプログラムを作成するための表現方法 *2. EZSocket は三菱電機株式会社の登録商標です。

制御ソフト検証の前倒しには、シーケンサの実機手配やシミュレーション準備などに手間や費用がかさむなど課題がありました。そこで、新オプションでは三菱電機シーケンサ (*3) 用のラダー編集ソフト (*4) と、設備の 3D モデルを直結することで、実物のシーケンサを必要としない 「完全実機レス」 の 3D 制御シミュレーションを可能にします。これにより、シーケンサを含むすべての機器を 1台の PC に置き換えができるので (=SILS(*5)環境) 、リモートワークでも手軽に制御シミュレーションを実施できます。 
*3.シーケンサシミュレーションソフトウェア 「MELSOFT GX Simulator」(対応シリーズ:GX Simulator 2)
*4 .「GX Works 2」 *5. SILS: Software In the Loop Simulation

20210908 Lattice 1

1台の PC で制御シミュレーションを可能にする SILS 環境

特徴 1

新オプションの利用で、三菱電機シーケンサで制御する生産設備では、シーケンサを含むすべての機器を 1台の PC に置き換える SILS 環境が構築できるので、リモートワーク環境でも手軽に制御シミュレーションを可能にします。

*SILS とは?:ECU (電子制御ユニット) 上の制御ソフトまで PC 上のシミュレータで動作させて、プラントモデルを制御することを SILS (Software in the loop Simulation) と呼びます。 

(参考:XVLコラム|製造業の DX に 3D で貢献する|13.宇宙開発に製造業 DX のルーツを見る – 自動車産業では SILS/HILS へ)

新オプション 「MELSEC GX Works Sim for Vmech」 を利用したデモ

特徴 2

設備の 3D モデルに対する時刻制御ができます。他社製品では不可能な 「設備・装置の正確なタクトタイムの検証」 に対応することで、設備の早期安定稼働促進と製品の市場投入加速に貢献します。

20210908 Lattice 2

仮想時間で連携する、XVL Vmech Simulator と三菱電機シーケンサ

XVL Vmech Simulator は、「現物をデジタルの 3D XVL モデルで再現し、設計の意図との差分を見える化する」 というラティスの提唱する “3D デジタルツイン” (*6) のコンセプトを体現しており、新オプションを導入することでシーケンサを含めて仮想空間での検証が可能になり、3D デジタルツインの領域を拡張します。 
*6.参考:3D デジタルツインのコンセプト

ラティスは一気通貫した 3D データ活用で製造業のデジタルトランスフォーメーションに貢献していく考えです。

新オプション情報

  • 正式名称:MELSEC GX Works Sim for Vmech
  • 価格(税別): 1ライセンス ¥1,000,000 (別途、初年度より年間保守が発生)
  • 提供開始: 2021年9月8日(水)
  • その他: 
    • MELSEC GX Works Sim for Vmech は 「XVL Vmech Simulator」 のオプションとして動作します。 
    • 三菱電機製 「GX Works 2」 の他、「MT Developer」「RT – Toolbox3」 にも対応。 
    • 後続製品である 「GX Works 3」 への対応は三菱電機と協議中。 
    • XVL Vmech Simulator 製品 URL : https://www.lattice.co.jp/products/lineup/vmech/

用語説明

「XVL」 (eXtensible Virtual world description Language) は、XML (eXtensible Markup Language) をベースとした超軽量 3D 表現として、ラティスが提唱する表現形式です。XVL を用いることで、3D CAD などで生成されたデータを数百分の 1 にまで軽量化することができます。また、メモリが少ない環境で巨大な 3D データを高速表示する技術の実装により、ネットワーク環境での 3D データ共有に最適な形式です。現在、干渉チェック機能を搭載した DMU や 3D ビジュアル作業手順書を作成するソリューションが市場で高く評価されています。ラティスの XVL は世界中の自動車産業、航空機産業、電機産業等多くの製造業の企業で採用されています。3D データの精度と構成情報を保ちながら、軽量にデータ表現できるという特徴から、デザインレビュー、機構シミュレーション、工程設計、作業指示、部品表、イラスト作成などの用途に活用されています。製造業の大手では、3D CAD の普及により蓄積された 3D データの有効活用を目的に、XVL 製品を全社規模で導入するケースが増加し、国内外で急速に普及が進んでいます。

・XVL、3D デジタルツイン はラティス・テクノロジー株式会社の登録商標です。 
・その他記載されている会社名および製品名は各社の登録商標または商標です。

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