長年の材料解析シミュレーション技術をベースに素材性能を予測
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(代表取締役社長:柘植 一郎、本社:東京都港区、略称:CTC)は、材料解析シミュレーションとAIを組み合わせた「材料開発プラットフォーム」(以下、本プラットフォーム)を本日から提供します。本プラットフォームは、環境負荷の低い素材や信頼性・安全性の高い素材の開発を効率的に支援するサービスです。電池材料や半導体の材料開発を含む製造業、医療分野、大学及び国の研究機関などを中心に展開し、3年間で100社への提供を目指します。
自動車・輸送機械、電機・精密機器、エネルギー、ヘルスケア・医療などのあらゆる分野で、豊かな社会の実現に貢献する技術として新しい材料の開発が求められています。材料は、結晶構造や結びついている元素の組み合わせで、比重、弾性、耐久性、導電性、耐熱性、熱伝導性などの特性が大きく異なり、近年は、ITを活用して複数の元素の組み合せや構造から特性を導き性能や耐久性に優れた材料を創出する素材・材料研究「マテリアルズ・インフォマティクス」に注目が集まっています。
今回CTCが提供する本プラットフォームは、長年の提供実績のある材料解析シミュレーション(計算科学データ)と機械学習及びニューラルネットワークを中心としたAI技術を組み合わせて、材料物性の予測モデル(学習モデル)を構築し、効率的な材料開発を実現するものです。2018年から取り扱いを開始しているナノスケール(原子や分子レベルの大きさ)での解析シミュレーションを行うクラウドサービスExabyte.ioの計算科学データから、材料の分子構造や特性をAIが学習することで、求められる物性を持つ素材の候補を割り出します。従来、数か月かかっていた物性探索も、構築した予測モデルに入力することで数秒で物性予測を終えることができ、素材開発の期間短縮を図ることができます。
CTCは、30年以上前から材料解析の分野に携わっており、熱力学に基づくミクロ組織の諸性質に関する予測からマクロスケールの機械特性の予測まで、コンサルティングや技術サポートを含めた材料解析ソリューションを提供しています。AIビジネスで蓄積したノウハウも活用し、本プラットフォームを開発しました。
今後も、モデリングや予測の機能について性能の更なる向上を図るとともに、マテリアルズ・インフォマティクスを活用した材料開発を通して社会課題の解決に貢献していきます。
材料開発プラットフォームのサービスイメージ
本件の参照先:https://www.ctc-g.co.jp/company/release/20210720-01324.html