オートデスクとGM、将来の車両部品の軽量化を目指してジェネレーティブ デザインで協業。新しい設計手法で未来の車を実現へ (2018年5月8日)


米オートデスクと米ゼネラルモーターズ(以下GM)はこのほど、将来利用される車やトラックを開発する上で重要な要素になる次世代の軽量化を目指した技術提携を結びました。この提携では、オートデスクのジェネレーティブ デザイン テクノロジーと3Dプリンティングなどのアディティブ マニュファクチャリング(積層造形)を融合させ、車両開発の重要なテクノロジーとして両社が協力します。GMは先週5月3日に同社が発表している通り、従来の設計最適化技術では成し得なかったレベルの軽量化を実現するため、北米大手自動車メーカーとしては初めてオートデスクのジェネレーティブ デザイン ソフトウェアを導入しました。

GMの発表資料(英語):http://www.gm.com/mol/m-2018-may-0503-lightweighting.html

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新しいシート ブラッケットの設計案の一部

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(左) 従来のシート ブラッケット (右) ジェネレーティブ デザインで設計された案

ジェネレーティブ デザインは、強度、重量、材料など、製造上の制約や製品の性能要件を基に、複数の有効な設計案を導き出す、AIベースのアルゴリズムを取り入れた設計探求のためのテクノロジーです。これにより、今までにない速さで、製造可能なオプションが提示され、その中から設計案を選び出すことができるようになりました。これにより設計者は反復的な設計作業ではなく、部品の性能を最大化させるなど、価値の高い作業に集中できるようになります。

これまでGMの自動車エンジニアは、過去数年で何度も車両の軽量化の限界を超えてきました。2016年以降にGMが発表した11種類の新車モデルだけでも、合計5,000ポンド(約2,270キロ)以上、1台当たり350ポンド(約160キロ)の軽量化を達成しています。自動車の軽量化は、消費する燃料を減らし、二酸化炭素の排出量が削減されるだけでなく、消費者にとっても経済的で、非常に重要な要素となります。

GMのGlobal Vehicle Components and Subsystems担当 ケン・ケルザー(Ken Kelzer)副社長のコメント
「この革新的な技術進歩によって、軽量化や効率化を目指した未来の車両部品設計や開発方法が大きく進歩します。設計技術に3Dプリントなどの製造上の進歩が加われば、当社の自動車開発戦略は根本的に変わり、これまで想像もできなかったコンピュータ―との共同制作が実現されます。」

両社がこれまで行った概念実証プロジェクトでは、GMとオートデスクのエンジニアが、米国ミシガン州ウォーレンにあるGMの Tech Center (技術開発拠点)でジェネレーティブ デザインを使い、シートベルトを固定するシート ブラケットの設計見直しを行いました。具体的には、エンジニアが他の部品との接続場所、強度、質量要件などのパラメーターを設定し、ジェネレーティブ デザイン ソフトウェアで150通り以上の有効な設計オプションを導き出しました。その中から人間では考えも及ばなかった有機的構造を持つ設計案を1つ選択しました。選択された設計案は従来の部品と比べて重量を40%削減しながら、強度は20%向上したものになりました。

さらにこのプロジェクトでは、部品の統合というジェネレーティブ デザインの大きな特長を証明することになりました。見直し後の設計では、従来8種類の部品から構成されていたコンポーネントが1つの部品に統合されました。

GMは30年以上に渡り、アディティブ マニファクチャリングのリーダーとして最先端の3Dプリント機器を活用してきました。現在も50台の高速試作機器を運用し、過去10年間で250,000個以上の試作品を制作してきました。

GMのアディティブ マニファクチチャリング担当 ケヴィン・クィン(Kevin Quinn)ディレクターのコメント
「GMが長年培ってきたアディティブ マニファクチャリングの知識と、ジェネレーティブ デザインを融合できれば、この新しい設計手法にとても大きな可能性が生まれます。今回のシート ブラケットのように、これらの新しいテクノロジーを3万点以上からなる車両部品の多くに取り入れることで、さらなる軽量化や強度向上が実現できるでしょう。電気自動車や自律自動車の時代に突入すれば、大規模な変革が可能かもしれません。」

今回のプロジェクトは、GMとオートデスクが技術革新を生み出すことを目的にした長期提携の始まりです。両社は、ジェネレーティブ デザイン、アディティブ マニファクチャリング、材料科学関連のプロジェクトで連携を予定しています。これらの分野の担当役員やエンジニアらは今後現場で打ち合せを行い、アイデア、成果、専門知識を交換する予定です。去る3月には、2名のGMエンジニアがオートデスクの「Pier 9 テクノロジー センター」で2週間のジェネレーティブ デザイン研修に参加しました。

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オートデスク Pier 9で研修を受けるGMのエンジニア

オートデスクは今回の提携の中で、ソフトウェア技術者の支援やあらゆるソフトウェアをGMに提供します。これに伴いGMでは、ジェネレーティブ デザインと合わせて利用する「Autodesk Fusion 360™」(注)や、ラティス構造の最適化や金属積層造形のシミュレーション、そして3Dプリント時の熱変形、収縮、亀裂伝播などの問題を回避するためのソフトウェア「Netfabb®」(注)が使用されている他、「Alias®」、「Recap® Pro」、「Meshmixer®」(注)なども使われています。

注:「Autodesk Fusion 360™」:クラウドコンピューティングを一部取り入れた3D CAD/CAM/CAE
  「Netfabb®」:3Dプリントで製造するための準備をするためのソフトウェア
  「Alias®」:自動車など工業製品の高品位なデザインデータを作成するソフトウェア
  「Recap® Pro」:レーザースキャンや写真から3Dモデルを作成するソフトウェア
  「Meshmixer®」:3Dデータの修正などを行うソフトウェア

オートデスク 製造および建設業向け製品担当 スコット・リース(Scott Reese)副社長のコメント
「ジェネレーティブ デザインは、製造業の未来を実現するテクノロジーです。そしてGMは、未来の車の軽量化を目指し、このテクノロジーを取り入れたパイオニアです。GMが実現しようとしているのは軽量化だけではありません。ジェネレーティブ デザインの本当の意義は、多数の部品を1つに統合できることと、製品開発プロセスを大幅に短縮できることにあります。このソフトウェアを利用することでエンジニアは、これまで1つの設計を検証するのにかかる時間より短い時間で、人が思い付かない形状を持ちながら製造可能な設計オプションを数百種類も得ることができます。GMはいま、シートブラケットなどの部品にこの機能を活用することができます。そして長期的には自動車ユーザーの運転体験を変えることも視野に入れています。」

GMは、自動車の重量と材料を削減することで、燃料消費量の削減を実現するだけでなく、電気自動車への適用や、車内空間の快適性に広げる未来を描いています。GMが発表資料で述べているように、これらの新技術によって、「自動車設計者は、現代にはないデザイン・設計や形状を探求」することが可能となりました。

ミシガン州ウォーレンでGMの自動車エンジニアリング チームと協力しているオートデスクのエンジニア、マイク・グロウ(Mike Grau)のコメント
「GMには、輝かしい技術革新の歴史があります。私たちは提携を通じて、GMが持つ素晴らしい財産に新技術を統合し、技術革新の文化を活性化させています。GMは、未来に向けて大きく飛躍しています。今回の提携を足掛かりに、自動車分野で大きく進歩する日が待ち遠しいです。」

以上

設計プロセスを概念化した動画

Autodesk, Inc.会社概要

オートデスクは、何かを作り出す方々のためにソフトウェアを開発しています。高性能車の運転、超高層ビルへのあこがれ、スマートフォンの便利さ、すばらしい映画を見た感動。これらはオートデスクのソフトウェアを使った数百万人のお客様が作り上げた仕事から、皆さんが受けた体験です。オートデスクは皆さんが何かを作るパワーを提供します。

オートデスク株式会社概要
本社:    東京都中央区晴海1-8-10  晴海アイランド トリトンスクエア オフィスタワーX 24F
代表取締役: ローランド ゼラス
設立:    1985年4月1日
資本金:   1億円
ホームページ:www.autodesk.co.jp / www.facebook.com/AutodeskJapan

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