Windchill 進化の系譜


Windchill 進化の系譜(CIMdata解説)
Windchill’s Evolving Lineage(CIMdata Commentary)
2010年11月30日

 歴史は、ソフトウェアサプライヤーが、新しい基礎的な能力や新しい機能を組込みながら、自社のソリューションを時間をかけて進化させようとしていることがより理にかなった成長経路に据えていると言うことを証明しました。PTCは、明らかにこれを達成しているソリューションのサプライヤの一社です。同社のWindchillの開発チームは、優れた意思決定を行うことについて、またサードパーティのテクノロジーが発展したり、組込みや活用への準備ができた際に路線変更を恐れないと言うことについて長い歴史をもっています。


  拡大を続け、し烈な競争をしているソフト市場のように、PLM市場もテクノロジー刷新の論争からの影響を避けれないもので、恐怖、不安、そして疑問を創ることを好むマーケティングの専門家の論争、また緻密・複雑な評価・分析表(justification matrices)を作成するために利用する技術者(technologists)の論争と様々です。皆さんは誇大広告やマーケティングの形式的な用語などすべてを取り除いてみれば、通常のテクノロジー的な期間となる少なくとも10年間の明白な収益成長の軌跡を持続しているのはそれらのテクノロジーをベースにしたソリューションであることを極普通に見出すでしょう。“flash in the pan”(*)であるかのように見えるものは、一般的に、テクノロジー上の行き詰まりへとたどることを選んだか、あるいは最後に至るまで十分な投資をしなかったと言うことでしょう。(*. “flash in the pan”とは、“派手な始めたにもかかわらず、価値について何も渡さないことによって失望させる何か”の意)

 長年、多くの新しいテクノロジーは、ソフトウェア開発の世界に発生する最新、あるいは最も素晴らしいものとしてもてはやされてきました。それらの多くについては、結果的に道半ばで滅びてしまったりしましたが、いくつかの重要な進展・進化については生き残りました。1990年代半ばから後半にかけてのWebブラウザとJavaの2つは、このような非常にもてはやされたテクノロジーの進化でした。しかしながら、他のテクノロジーと異なり、これらの2つは自身が持つ将来性(promise)を余すことなく果たしました。将来性(promise)とは、ハードウェアに依存しないソフトウェアデリバリープラットフォームの現実であり、重要なブレークスルーであることを証明しました。今日、ほぼすべての主要なエンタープライズソフトウェアソリューションのサプライヤーは、Webブラウザ経由でアクセスを可能にしているクライアントのいくつかのタイプを提供しています。多くはある種のJavaテクノロジーによって、すべてではないものの彼らサプライヤーのクライアント機能を提供しています。そしてあるものはバックエンドサーバーの中のJavaによって動作しています。これらテクノロジーや情報デリバリーのパラダイムに社運を賭けているPTCのようなサプライヤーにとって、15年を経た問いは、彼らは運が良かったか、あるいはまことに聡明であっただけなのでしょうか? 正直に言って、運とか聡明さはおそらく小さな役割はあったでしょう、しかし最も重要な要素は、知的で統制のとれた独特の方法での周到に考えた末のテクノロジーを発展させると言う会社の意欲と言うものであり、独特の方法とはソフトウェアソリューションを数年単位での書換・再作成などせず継続的に発展させることをできるようにしていることです。

 表面上、PTCのWindchill PLMソリューションの現在のリリースが10年前に使用されたものに非常に近いテクノロジーに基づくかのように見えます。しかし、より徹底的に見る機会を持っていた私たちにとっては、多くが変化していました。勿論、ユーザーインタフェースは変化し、さらにPTCは長期に渡って多くのWindchillアプリケーション、すなわちWindchill PDMLink、ProjectLink、MPMLink、RequirementsLink等をリリースしました。しかし、これはすべてを物語るものではありません。Windchillファンデーションレイヤーの全てを活用する上記の新しいアプリケーションは、それらが構築されていたファンデーションと全く同じ程度に期待どおりのことができます。脆弱なファンデーションでは、崩壊や再開発無しには長期に渡ってその上に構築したものをサポートすることはできません。幸いなことに、PTCは、長年この基本的な真相・実体を理解しており、その上に築き上げられて進化しているWindchillのファンデーションとソリューションの長い歴史を持っています。要は、Windchillであり、そのすべてのモジュールに介在する900+のSQLテーブルであり、何年も前から進化してきた今なお100%のインターネットベースのソリューションであるということです。Windchillの詳細なスタディでは、10年前にあったそれと同じソリューションでないことを示しており、このことは素晴らしいことです。

 優れたいずれものソフトウェア開発組織同様に、PTCは、Windchillのコードベースの継続的なリファクタリング(refactoring)に断固として努力することを重要視し、開始しました。Windchillの外部機能並びにインタフェースの振舞いを変更せずそのソースコードを変えるプロセスは、ソリューションの機能面に現れない特性(nonfunctional attributes)を大きく改善しました(例として、ソースコードの保守性を改善するためのコードの読み易さの改良や複雑さの減少)。加えて、これらのタイプの改良はしばしばユーザーの生産性向上のみならずより良いシステム性能と言う結果も得ました。また、PTCは、買収で得たソフトウェアソリューションを書き直すためにかなりの投資を行うことを多くの場合選択していました。例えば、auxilium社の買収で得たEnterprise Application Integration (EAI)のInfo*Engineは、適切なインターフェイスレベルで下位互換性を守りながらJavaで完全に書き直されています。Polyplan社の製造工程マネージメント(MPM)ソリューションは、Windchillファンデーションの上で再作成され,且つ拡張されました。これはPolyplanをWindchillに単に統合する方が短期でより進め易かったでしょうが、書き直しは長期の著しい利点(long-term benefits)を得たのです。PTCは、既存の統合Windchillアーキテクチャの上にそれを構築するためにMPMLinkからの潜在的な収益をあげるまでの期間(time-to-revenue)を遅らせることを選択しました。これはエンドユーザーにとってのより良いトータルでの使い易さ(overall usability)と一貫性をもたらし、またPTCにとってもより良い保守性をもたらしました。

 当初から、Windchillは、マネージコード(managed code)環境を多用したモデル駆動型のソリューションでした。もともと、Windchillは、Rational Roseによって定義され、サポートされている統一モデリング言語(UML - Unified Modeling Language)とソースコードジェネレーションをベースにしていました。Windchillの今後のリリースであるWindchill 10のコアオブジェクトモデルは、Javaのアノテーション(annotation)とそれに対応するアノテーションプロセッサを用いて表現されて

います。PTCは、Javaの継続的な進化(すなわち、その機能の継続的な拡大)とそのアノテーションのサポートによってWindchillをかなり簡単にこの新しい環境に移行できたことを報告しています。Javaの高い成熟度は、PTCにWindchillのコードベースを進化させられるようになったばかりではありません。それはシンクライアント(Thin client)を維持しながら、より豊かなパフォーマンスとインタラクティブなユーザーエクスペリエンス(user experience)を可能にしているHTMLとWebブラウザの機能の進化からの恩恵(benefits)でもあります。

 さらに、PTCは調査を進め、投資を行い、Windchill及びその他の製品開発ソリューションにオープンソーステクノロジーとコンポーネントを組み込む具体的な労力をかけてきました。同社は、オープンソースが熟慮されたベスト・オブ・ブリード(best of breed)且つ信頼に足る堅牢性を持つ様になった際にオープンソースへの動きを決定しました。例えば、PTCは、Windchillアプリケーション・サーバーの中でApacheソフトウェア財団(Apache Software Foundation)によって開発されたオープンソース・サーブレットコンテナ(open source servlet container)であるApache Tomcatの利用と組込みを含むApacheの全面的なサポートをパッケージし、提供しています。さらに、PTCは、自社で展開・開発する必要がない自由に利用可能で検証された能力・機能を利用できるようになったため、その他の自社開発の機能(proprietary capabilities)を同様のオープンソースソリューションに置き換えました。PTCがどのようにオープンソーステクノロジーを利用するかのほかの例は、オープンソースESP(open source enterprise search platform)であるSolrの組込み並びにサポート、そしてオープンソースソフトウェア開発ツールのBugzilla、Eclipse、またSubversionで広く利用されている“アプリケーションライフサイクルマネージメント”ソリューションを構築するためのPTCが公表した計画となります。PTCのオープンソースツールの取り込みの明らかなコミットメントは、自由に利用可能なソリューションではなく、他にはないソリューションの提供とデリバリーを行うと言うテクノロジー戦略に真に一致するものです。このことがコモディティソリューションのコンポーネントでなく、固有のビジネス並びに業界のニーズを解決することに重点を置いたビジネスソリューションにPTCが重視できるようにするものです。このアプローチは、ソフトウェア業界にとって新しいものではありません。ソフトウェアソリューションサプライヤー自身のデータベース・システムで開発&サポートしたサプライヤーを見つけるようなところにまでもはや戻る必要はないのです(そのようなものはほとんど何も残っていませんが)。

 さらに、似たような脈略で、PTCは様々なマイクロソフトのコンポーネントをWindchillに取り入れています。例として、SharePointのためのWindchill Web Partsは、SharePointのユーザーに安全なWindchillのボールトに格納してあるプロセスと情報で仕事をするための簡素化した方法を提供しています。また、Windchill SocialLinkは、Microsoft SharePoint 2010の上に構築されています。この比較的新しいソリューションは、アドホック(ad-hoc:その場限り)なチームコラボレーションを容易にするためにマイクロソフトソーシャルメディアの多くのイネーブリングテクノロジーの利点を活用しています。また、PTCは最近、Microsoft Project Server及びMicrosoft SharePoint 2010の上に構築されているプログラムポートフォリオマネージメント(Program Portfolio Management)のソリューションであるWindchill PPMLinkを発表しました。このソリューションでは、コンセプトから具現化(Conception to Realization)をマネージメントするプロジェクトのためのStage-Gate並びにPACE(A Practical Approach to Concurrent Engineering)のプロセスをサポートしています。オープンソースソリューションの導入と同様、マイクロソフトのソリューションの導入は、PTCに、基本的なあるいは容易に利用可能な機能やテクノロジーに時間と資金を注ぎ込むことをせず重要な機能の開発に集中出来るようにしました。これは私たちが一般的なPLM業界で見ているトレンドであり、また私たちは継続して行くものと期待しているものです。そのようなアプローチには役得(side benefit)があることを言及されなければなりません。それらサードパーティ製ソリューションの利点(advantage)を簡単且つコスト効果を得るために、PTCは、Windchillプラットホームの中に必要とされるコネクションを提供するオープンソフトウェアアーキテクチャを定義し、サポートするようにしました。サードパーティ製ソリューションの広範な取り込みは、オープン戦略とテクノロジープラットフォームを提供するPTCのコミットメントを明らかに示したものです。

 歴史は、ソフトウェアサプライヤーが、新しい基礎的な能力や新しい機能を組込みながら、自社のソリューションを時間をかけて進化させようとしていることがより理にかなった成長経路に据えていると言うことを証明しました。PTCは、明らかにこれを達成しているソリューションのサプライヤの一社です。同社のWindchillの開発チームは、優れた意思決定を行うことについて、またサードパーティのテクノロジーが発展したり、組込みや活用への準備ができた際に路線変更を恐れないと言うことについて長い歴史をもっています。Windchillについてのテクノロジーの決定は、賢明なもの(intelligent)であり、長期に渡って持続的であり、証明されたものであり、またおそらくはいくつかのケースは幸運でありました。基本的には、Windchillは、10年以上も遡るルーツを持っているエンタープライズクラスのソフトウェアソリューションですが、この上なく正に最新的なものです。

CIMdataについて

 CIMdataは、製品ライフサイクルマネージメント(PLM)の適用を通じて、革新的な製品とサービスをデザインしてデリバリーする企業の能力を最大限に引き出すための戦略的なマネージメントコンサルティングを行う世界的な独立系企業です。CIMdataは、PLMに関する世界トップクラスのナレッジ、専門知識、ベストプラクティスメソッドを提供しています。CIMdataは、リサーチ、購読サービスの提供、出版、また国際的な会議を介しての教育を提供しています。詳細については、 http://www.CIMdata.com をご覧ください。

本資料のPDF版(Commentary_PTC_Windchill_History_30Nov2010_J_v01b.pdf

(文責:江澤 智、2013.5.30 )


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