4. PLMの定義、そして業界構造


 今回,このシリーズで各回で次のテーマを綴ってきた:

  • 企業の中のライフサイクル
  • 製品ライフサイクルの変化:収益ポイントのシフト
  • 業界や戦略で異なる製品ライフサイクルにおける利益ポイント

 このシリーズでは,冒頭から“PLMとは何か”と言う点について語ることを明確に避けて来た。理由はPLMについて解釈が関心をもっておられる皆様がたに於かれて異なることである。上記の3回の中では、断片的な見方やある方向や角度での固定概念をもっての見方を避けるべく、企業の中のライフサイクル、製品とは何か? ライフサイクルの中での収益ポイントといささか一般に語られているPLMと距離感をもってベーシックなところに据えて来た。

 PLMの定義に関して,関連ベンダーなどや様々の用語辞典などのサイトに記述されている。各社のビジネスを背景として語られていることは当然であり、その内容はまた受け止める側の当事者(エンドユーザー)によって異なるものである。

 PLMは単なるテクノロジーではない。広範な業界の問題に対するソリューションにフォーカスしている。PLMは各種のテクノロジーと手法を活用し、多くの異なった要素と組合わされている。CIMdataでは、『人、プロセス、ビジネスシステム、そして情報を統合し、コンセプトから耐用年数に至るまでの企業(間)を横断する製品定義情報のコラボレーティブな生成、マネージメント、そして利用&使用について支援するビジネスソリューション群の首尾一貫した適用を行う戦略的ビジネスアプローチ』と、PLMを定義している。PLMは、デジタル製品またはデジタルプラント(つまりそれらの企業の知的財産)を創り、マネージメントし、企業とその関係企業(Extended Enterprise)のための製品に関連した情報バックボーンを提供する。

CIMdata PLM definition w500

図10: PLMの構成要素

 PLMは単一のソフトウェアベースのソリューションで提供されるものではない。以下のような複数の要素によって構成される( 図10: PLMの構成要素):

  • 基盤テクノロジーと標準:可視化、コラボレーション、エンタープライズアプリケーションインテグレーション、XMLなど
  • 情報のオーサリングツールおよび解析ツール:機械・電子・ソフトウェア設計、解析ツール、そしてテクニカルパブリッシングなど
  • コア機能:データボールト(格納庫)、ドキュメントおよびコンテンツ管理、ワークフロー管理、製品構造管理、分類管理、プログラム管理
  • アプリケーション:構成管理、技術変更管理、リリース管理など
  • ビジネスソリューション:他の要素(エレクトリックサプライヤーソリューションやプラント検査および保守・保全ソリューションなど)と共に固有なビジネスプロセス上に構築
Two Segement of PLM Industry w500

図11: PLM市場 - 二つの大きなセグメント

 さらにCIMdataではPLMソフトウェアおよびサービス投資について、製品定義情報の生成と解析を支援するアプリケーションツール(例:コンピューター支援機械設計(MCAD)、自動電子設計(EDA)、コンピューター支援ソフトウェア工学(CASE)、解析、テクニカルパブリッシング)と、製品定義情報のコラボレーション、マネージメント、共有に焦点を当てたソリューション(例:コラボレーティブ製品定義マネージメント(cPDm)ソリューション)の2つの明確なセグメントに分け、前者をツール領域、後者をcPDm(コラボレーティブ製品定義マネージメント)としている(図11: PLM市場 - 二つの大きなセグメント)。これらコアやアプリケーション機能で分かるように、従来からの基本的なPDM(製品データ/定義マネージメント)は今だPLM実装の核であり、実装の原点であることを肝に銘じて欲しい。

 また、これらのソリューションを提供するサプライヤーについては次の三つに分類することが出来る:

  • 包括的テクノロジーサプライヤー:全ライフサイクルにフォーカスしたテクノロジー製品、並びにソリューションの広範囲なものを提供する
  • 特定アプリケーションサプライヤー:特定の機能にフォーカスしたアプリケーションを提供する。EDA、CASE、デジタルマニファクチャリング、FEA、プログラムマネージメント、コンテンツマネージメント、他
  • コンサルティング業者、システムインテグレータ、再販業者、VAR関係:テクノロジーまたはコアレベル製品の開発は行っていない。また、ソリューション創出のために一つないし複数の製品を使用している

 これらのサプライヤー達は顧客サイドのモノづくり支援のためにパートナーとして進展をしてきた。多くは機構系CADを背景、もしくは所謂PDM(製品データマネージメント)を背景として、より完全なデジタルなモノづくりのために統合・合併を繰り返し、また独自路線で、そして新たなサプライヤーの出現を繰り返し,さらにっサプライヤー間やシステムインテグレータとのパートナー関係を形成し今日のPLMサプラヤーへて進展して来た(図12: PLM市場 - ベンダーの進展)。

 次回はエンドユーザー投資の中で事例を見てみたい。

Vemdor Transition w500

図12: PLM市場 - ベンダーの進展

(江澤 智、2013.5.10 改)


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