コラボレーション技術(9)データ・ビジュアライゼーション(データの可視化)


 システムのアーキテクチャに依存するが、ユーザーは情報を様々な形で取り扱うことができる。あるシステムは他のすべてのユーザーから独立して、各ユーザーが情報を見ることを可能にしている。この場合、各ユーザーはコラボレーション・セッションのデータに対して、ユーザー自身のウインドウやマルチ・ウインドウを持つことができる。ユーザーは他のユーザーの影響を受けずそのウインドウのデータの操作ができる。また別なシステムでは、同じ情報のビューがすべてのユーザーで共有される。当該セッションのリーダーがビューを制御する。

 最も柔軟性のあるシステムでは、ユーザーは複数の情報のビューを見ることができる。例として、ユーザーは他のユーザーのビューに同期するビューを見ながら同時に、ユーザー自身のビューを画面上に持つことができる。

 ビジュアライゼーションはビューイングとマークアップ、シミュレーション、アニメーション、デジタル・モックアップ、バーチャル・リアリティを含む数多くの技術を包含したものである。コラボレーションにおけるビジュアライゼーションは、CADやその他のグラフィカルなデータの検査・検討を可能にする。3Dデータで部品やアセンブリーを分解したり、部品の色を変更したり、動きを持ったアセンブリーのアニメーションを創ったり、その他多くの効果を創り出すことが可能である。これらはユーザーが製品定義データの正しさを評価することを可能にする。

アニメーション

 販売促進などのためにアニメーションは、製品がどのように創られたのか、使用されるのか、また保守するのかを示すための非常に効果的な手法を提供する。アニメーションは、製品の特徴を視覚的に表現するもので、設計を検証する目的ではなく、製品の物理的な制約条件を考慮するものでない。アニメーションの良い例は、製品をある側面から、第三者を含め関係者で製品の形状や様子などの理解の向上を支援するために方々に製品を見せることである。

シミュレーション

 シミュレーションは、製品の機能性や動作のレビュー、確認や調査に使用される。これらの機能はある種のケースでは3D CADモデリング・システムによって提供されているが、一般的には特別なビジュアライゼーション製品で見られるものである。コンポーネントやアセンブリーのための物理的なプロパティーや許容されるふるまいがモデルのアトリビュートとして割り当てられる。格納されたアトリビュートは、シミュレーションを行うコンポーネントの物理的特性を与える。接合条件は製品の動作について設計の意図を反映させるために定義される。シミュレーションは主に製品の仕様や定められた動作上の特徴に対して、製品の設計の完全性や適合性を検証するために使用される。

デジタル・モックアップ

 数多くの異なったアプリケーションが製品の検証を支援する。デジタル・モックアップ・ツールは、例として、デジタル・モデルを使用して "組上げた" 状態のバーチャル・プロトタイピングを可能にする。製品の検証技術は製品の意図を満たす検証を確かなものにすることを狙ったものである。デジタル・モックアップは、システム・インターフェイスが正確に一致し、組上げたコンポーネントの間で干渉が存在しないなどのチェックを可能にする。回転を行なう中心やジョイント、ヒンジ、レバー、その他の部品間のインターフェイスなど動きについて自由性の確認のためにデジタル・モックアップ・モデルに割り付けることができ、製品が意図した通りに動作するかの確認をシミュレーションが実行する。得られる効果は物理的なプロトタイプを組上げるためのコストの削減にある。コラボレートな環境におけるデジタル・モックアップは、改善を行うためのコメントやアイデアを交換し、製品チーム・メンバーに様々な設計の視点での検証の機会を与える。

バーチャル・プロトタイピング

 バーチャル・プロトタイピングはバーチャル・リアリテイ(VR)機器を使用して行うこともできる。VR環境において、操作員は特別にデザインされた "センサー" グローブによって提供されたモデルのジオメトリーのフィードバックを使用し、部品に "タッチ" することが可能である。ユーザーは製品の周辺や中身を見るために製品の中の空間を移動できる。VRコラボレーションにおいて、プロジェクト・チームは製品のシステム面、保守性、製造上の課題、その他多くの側面の調査に仮想製品ワークスルーができる。

(江澤 智、2013.5.10 改)


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