シミュレーションと解析のデモクラタイゼーションは、コラボレーティブな製品開発、コンカレント・エンジニアリングを促進する


シミュレーションと解析のデモクラタイゼーションは、コラボレーティブな製品開発、コンカレント・エンジニアリングを促進する(キース・ミエンテス博士 (Dr. Keith Meintjes)、CIMdata シミュレーション&解析 プラクティスのマネージャ)
Democratizing Simulation & Analysis Fosters Collaborative Development, Concurrent Engineering (By Keith Meintjes, Ph.D., the Practice Manager, Simulation and Analysis for CIMdata Inc.)
2013年8月19日

 CIMdataのシミュレーションと解析のナレッジ・カウンシルによって進められた最近のワークショップでの議論のメイン・トピックスは、シミュレーションと解析(S&A - Simulation and Analysis)のデモクラタイゼーション(Democratization)でした。米国オハイオ州シンシナティで4月30日に開催され、CIMdataの10回目の年次S&Aワークショップでした。米国ミシガン州アナーバに本社を置くCIMdataは製品ライフサイクルマネージメント(PLM)と革新的な製品やサービスをデザイン・提供する企業の能力を最大化するための戦略的マネージメント・コンサルティングの世界的な大手独立系プロバイダです。

 CIMdataのS&Aワークショップでの参加者とユーザーは、S&Aの利用のデモクラタイゼーションは、開発プロセスのフロントエンドで機能するように配置された際、製品開発に革命をもたらすと言うことで一致しました。S&Aは新製品を定義する実際のジオメトリを作成する際に新しくて中心的な役割を果たすことができます。

 設計プロセスの前面にS&Aを入れることは、すべてのエンジニアのディクスやラップトップ上に伝統的なCADはもはやデザイン・設計、構築、テスト、および再設計のサイクルへの唯一のスターティング・ポイントにならないことを意味します。参加者およびユーザーは、製品ライフサイクル全体にわたるシミュレーションの使用を拡張するコラボレーションとコンカレントエンジニアリングのために不可欠であることに一致しました。

 出席者は、さらに、S&Aのデモクラタイゼーション無しには、製品開発に対する競争優位を提供するための可能性は実現はないだろうということを意見でまとまりました。結果的に、ソリューション・プロバイダとユーザーの両者は、製品開発の実践に於ける、またそのプロセスを支援するために使われるソフトウェアに於いて大きな変化があると予見しています。

 デモクラタイゼーションは、できるだけ多くのテクニカル指向製品の開発部門にエンジニアリング解析システムおよびソリューションの展開・強化することを意味しています。デザイン・設計面では、これら部門は顧客の要件や規制要件に対する新規製品のデザイン・設計を検証し、確証を得るものです。 

 一方、製造側では、それらチームは新規製品を生産に持ち込むために、必要に応じて新規製品を最適化し、会社の標準と業界のベスト・プラクティスに準拠している問題のないまた費用対効果の高い製造を行うことを保証します。

デザイン・設計と製造いずれにも於いて、これらがCIMdataのS&Aナレッジ・カウンシルの範囲にあるように、用語としてのシミュレーションと解析はしばしば結びつけられています。そのいくつかは:

  • デジタル・シミュレーションは新製品が経済的且つ問題なく生産できるようすることを確認・実証する;それ故、多くのシミュレーションは仮想的なワークステーションや生産ラインを表現する。
  • 解析は、新規コンポーネントやアセンブリがデザイン・設計要件を満たしているか、またはそれ以上のものであるかを検証する。

 非常に単純な新規コンポーネントは別として、シミュレーションまたは解析、あるいはいずれも利用されています。S&AはCAEシステムとPLMのソリューションと戦略の中核となるコンポーネントです。

 CADベースのジオメトリの生成に比べ、シミュレーション主導のプロセスは、はるかに完全で確実に製品を定義できるもので、それを検証し、製品をデジタルから物理的なモノへと変換します。しかしながら、多くの企業がそうであるように、プロセスが専門家によってコントロールされている場合、コスト効率良く行うことが困難なものです。

 専門家によるS&Aのコントロールは、費用対効果と問題のない生産を検証すると云うすでに困難な作業に共通である断片化を永続化させてしまう傾向にあります。事実上、あらゆる新規製品は、様々な工学分野、すなわち機械・機構系、電気/電子系、センサー、アクチュエータ、制御系、その他の多くのチームによってデザイン・設計されています。

 プロジェクトチームは、多くの場合、二つないし三つの世界各地の拠点で作業しており、いくつかの異なる言語を話すことがあります。それらのすべては、厳しい納期と予算の制約の競争圧力の下で仕事をしています。1つの部屋で共に仕事をし、言語と文化を共有する一握りのエンジニアによる製品開発は、過去のものです。仕事はまったくもって、共同・協同的(collaboratively)に行われているのです。

 S&Aのますます重要となっている部分は、相反する要件と同様なトレードオフのバランスをとるために新規製品とその生産システムの最適化のファイン・チューニング (optimization-the fine-tuning)です。航空宇宙、自動車、医療機器、機械組立に於いて、世界の賢いエンジニアたちは、デザイン・設計の要件と製造の現実でのその間の相反する問題を解決するための最適化を確実なものにしようとしています。最適化は、CAEの第三の核となる機能です。

 人手の足らないと言うことでのもう1つのリスクでS&Aの集中に目を向けさせています。:専門家の多くは引退間際であり、また簡単に取って代わることができません。しかしながら、デモクラタイゼーションは、基本的なエンジニアリングの問題を把握していない非専門家の手の中にS&Aツールを充てがうことをを意味することはありません。

コンカレント・エンジニアリング

 企業は、新規製品とそれらの製造システムが同時に開発されることで競争優位を得られます。製品のデザイン・設計は、その製造システムのデザイン・設計と共に検証し、確証を得るというもので、これはコンカレント・エンジニアリングであります。理想的な世界では、新規製品とその製造システムは、同じチームのエンジニア達、またはオーバーラップするチームによって共に首尾よく処理されるものです。エレクトロニクスおよびプロセス産業以外では、このようなことはほとんどありません。

 コラボレーションは、製品のライフサイクル全体でコンカレントエンジニアリングを促進し、また以下のような二つの欠くことのできないものを持っています:

  • 機械・機構/電子、例えば、さらにフルードパワー、熱伝導、センサ、アクチュエータ、ソフトウェア、コントロールなど様々なエンジニアリング分野にまたがる開発チームのメンバー間の緊密なコラボレーション。
  • ライフサイクル全体をマネージメントするPLM戦略によってサポートされる首尾一貫した全体の情報、ソリューション、専門知識を一緒に引き出すシステムエンジニアリングの使用。

 SAワークショップの参加者とユーザーは、新規製品や生産システムが共に適切に開発されるということについて一致しました。企業に於いてより深く、新規製品、その製造、また最終的にサービス、廃棄、またはより広くリサイクルにと関わるすべての人にS&Aソリューション(および最適化)を拡大することを彼ら企業に望んでいます。

20130818 Systems Engineering Vee

図1:製品開発に於ける段階と製品開発の二分するそれら間の多くの関係とそのフィードバックを表すシンテムズ・エンジニアリング の "Vee"  図。"トレード・スタディ" では、デザイン・設計上の要件が満たされていることを確認(Verification)というものを指します。"CAE"(computer-aided engineering)は、シミュレーションや解析を含んでいます。ソース:the Federal Highway Administration in the U.S. Dept. of Transportation。

システムズ・エンジニアリングとPLM

 システムズ・エンジニアリングは、新規製品は、それ自体の中でまたその生産とライフサイクルサポート・プロセスとのいずれもでシステムとして首尾よく処理されることを意味します。これはコンカレントエンジニアリングの基本的な支えとなるものです。

 シンテムズ・エンジニアリングの "Vee"  の2つのアーム、左側の製品定義と右側のインテグレーションは、検証と妥当性確認によってリンクされます。"Vee” 図(図1)の左側に於いて、“正しく進めて、正しく結果を出す(Getting it right)” と言うものが、製造側が必要とする詳細なCAD作業を始める前(後でもない)にデジタルモデルで製品を定義することを意味します。これは、また設計プロセスの前面にS&Aを使用するためにリンクバックすることです。

 これら徹底的な改善の重要な部分は、市場の混乱・崩壊、高品質な製品のための堅牢な新設計手法になります;段階的に改善がなされる新規モデルは過去のものです。CIMdataのS&Aナレッジ・カウシルは、多くのエンジニア領域・分野にわたるシステム・レベルの製品性能の開発に於いてるS&Aとシステムズ・エンジニアリングを結び合わせることを推奨しています。慎重に考え抜いたPLM戦略は、製品の開発、その製造システム、両方の最適化からすべての情報をまとめるための唯一最善の方法です。

 S&Aワークショップで講演者とユーザーは、増え続ける複雑さ、コラボレーション、あらゆる市場混乱(market-disruption)は製品によって異なる中で、システムズ・エンジニアリングだけが実際、 組織のすべての部門をまたがるコンカレントエンジニアリングに対応できるということで一致しました。

 最終的に、すべてに対応するベストプラクティスで、この複雑さを捉えて活用しなければなりません。システムズ・エンジニアリング固有のインテグレーションの多様なパワーは、製品のジオメトリー、物理的および仮想的な試験、デザイン・設計要件への適合性、そして知的財産(IP)をマネージメントするための理想的な環境としてPLMに対する強力なビジネスケースをもたらすものです。PLMベースのIPマネージメントは、S&Aと最適化で習得し開発したすべてをマネージメントするために、またそのナレッジを保護するために、そしてそれを探し出すために理想的なものです。

 コラボレーションを可能にして強化するならば、S&Aのデモクラタイゼーションは遅かれ早かれ必要不可欠となります。潜在的な最大の利点(benefits)は次のとおりです:

  • コンカレントエンジニアリングと最適化を発展・拡大して使用。
  • より優れた十分なる情報による技術上ならびに経営上の意思決定を行い、より迅速に達成する。

 シンシナティのワークショップそのラップアップの際でCIMdataは、ソリューション・プロバイダとユーザーの両方が企業経営に対するS&Aの関連性を何度も述べたことを指摘しました。先行デザインを強化し、時間と物理的なテストのコストを削減し、プリプロダクション・トライアウトと試運転を最小限に抑えることから競争力に得ることは難しいということです。

 PLMのいくつかの機能は、 他の形態で、 例えば、エンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)、または製品データマネージメント(PDM)でもちろん利用可能であるものの、いずれも広範に渡るカスタマイズの必要性を含み現行困難なものがあり、結果的に、長期での高い所有コストとなります。ERPは実際にはエンジニアリングに決して浸透・広がることはしてないし、PDMは実際のところ、あらゆるところに浸透しないのでカスタマイズが必要になります。

 5月1日、CIMdataのシステムズ・エンジニアリングに焦点を当てた最新のナレッジ・カウンシルは、シンシナティに於いてシステムズ・エンジニアリング・ワークショップを立ち上げました。いずれものワークショップは、米国オハイオ州エバンデール(Evendale)郊外にワールドクラスの航空機エンジンの工場を持っているゼネラル・エレクトリック社(the General Electric Co.)に後援いただきました。およそ50名が各ワークショップに出席しました。

S&Aワークショップの講演者はメリット(Benefits)を議論する

 CIMdataのシンシナティS&Aショップでは、ゼネラルモーターズ(General Motors)、プロクター・アンド・ギャンブル( Procter & Gamble)、ロールスロイス(Rolls-Royce)、及び Digital Product Simulation(フランス-米国コンサルティング企業、S&Aスペシャリスト)からの講演者を得ました。彼らのプレゼンテーションのテクニカル・コンテントは、実行可能である場合(wherever feasible)での自動化でのデザイン・設計環境に於けるS&Aのインテグレーション、そしてデザインがより堅牢にするために統計的手法( statistical methods)の利用・使用などがありました。

 講演者はまた、製造プロセスと同様な状況にある消費者製品(consumer products)にイノベーションを導くためにS&Aを使用し、またより効率的な構成・構造を発見するトポロジー最適化(S&Aのサブセット)を使用することについても触れていました。メリット( Benefits)は以下の3つのグループに分類されます:

  • 複数の物理的なプロトタイプを行う時間とコストを削除する。
  • 新規製品についてコラボレーションを行う多くのエンジニアリングやテクニカル部門間のデータ変換や再利用の促進(彼らが選んでいるソリューションやプラットフォームに関係なく)。
  • 専門家のエリートグループへの依存度を減らすこと、その多くは、退職の近くにあり、簡単に取って代わることはできない。

 参加した講演者とソフトウェア・プロバイダは、S&Aのデモクラタイゼーションは、ソフトウェアを提供する企業側の継続的なイノベーションが必要であることを指摘しました。一致している基本的なポイントは次の通りでした:

  • これまで以上に複雑なタスクに対応できるより直感的なグラフィカル・インターフェース(GUI)とそれらのタスクの自動化の必要性。
  • 無数のエンジニアリング・ソリューション、ツール、またシステムの間のデータのインポートとエクスポートをするより堅牢な機能とそれらデータのインポートとエクスポートを容易にする包括的なCAD変換機能。ITアナリストは相互運用性としてそれら機能を分類・格付けをする。
  • デザイナー・設計者の作業環境に埋め込むことができる "常に利用可( Always on)" であるツール。
  • 機械・機構系、電気系、またソフトウェア開発のような企業の多様なエンジニリング・ドメイン間で情報を共有するための3D PDF(三次元バージョンのPDF)のような簡略化されたCADファイルやソリッドモデル。

 専門家のパネル、“シミュレーションのデモクラタイゼーション:実現可能か?(The Democratization of Simulation: Is it Feasible?)” の議論に参加した主要なソフトウェアベースのソリューション・プロバイダは、ANSYS、オートデスク(Autodesk)、ESI、メンター・グラフィックス( Mentor Graphics)、シーメンスPLMソフトウェア(Siemens PLM Software)、およびダッソー・システムズのSIMULIA部門でした。

 これらの専門家が問うたことは:将来はどうなるのか? そこには確かにシミュレーションと解析のアプリケーションに大変革があるのだろうか? 総論(consensus)はイエスでした。堅牢なデザイン・設計方法、システム、および統合されたダイレクト・モデリング・ジオメトリツールは、今後10年間で、製品および製造システムの開発に革命をもたらすだろうと言うことです。

 ワークショップの講演者と参加者はありのまま率直に自分の会社が直面している多くのS&Aの課題について議論しました。それでもはやり、S&Aは世界的に競争力のある製品が必要とする製造システムとサポート機能と一緒に、それら新製品の開発へのアプローチの根本的な改善をサポートすることで一致していました。

(文責:江澤 智、2013.8.19 )


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