特別日本語抄訳版:PLM VIEW:PLM + ERP + MES =製品実現戦略  (2018年11月7日) 


CIMdata 会長、ジョン・マカレル (John MacKrell,) 、SolidWorks Communityに特集:PLM VIEW:PLM + ERP + MES =製品実現戦略)
CIMdata Chairman, John MacKrell, Featured on SolidWorks Community: PLM VIEW: PLM + ERP + MES = A Product Realization Strategy
(2018年11月7日)


特別日本語抄訳版 (オリジナル英語版はこちらを参照ください)

 エンタープライズ情報エコシステム (enterprise information ecosystem の重要なコンポーネントとして、PLM (製品ライフサイクル管理) とERP (エンタープライズリソース計画) は相反するもの (yin and yang) です。それらはビジネスの遂行を補完するものであり、多くあるように、張り合うものとして扱われるべきではありません。

競争力のある新製品を開発し市場投入する際に、PLMとERPの両方が重要な役割を果たす訳で、製品開発プロセスとデータフローのインテグレーションに大きな価値があります。同様に、それら一方が他方を軽視して実装されている場合、目に見えない多くの問題があります。

 どこの大企業も、例えば、PLMについて、特定のPLMソリューションによって、または手動プロセスの方法を問わず、何らかのライフサイクルベース戦略の形態をとって、製品とその開発を管理しています。PLMの自動化は中規模企業や小規模企業でもますます増えています。また、商品機能ではなく価格、配送、パッケージングで競合する商品ベースのビジネスにも当てはまります。要するにビジネス上の優位性のために、PLMは企業がイノベーティブな製品を開発し、ライフサイクルを通じて生成された情報を管理し、知的財産を再利用するためのプラットフォームを提供するのに役立ちます。

 ERPは、企業が製品をよりコスト効率よく市場に投入するのを支援します。ERPは、有形財産の生産のインプットとアウトプット、すなわち資源の消費量だけでなく支出額もきっちりと注視するために開発されました。さらに、ERPは製造プロセスを管理する製造実行システム  (MES) にリンクされることがよくあります。

 それぞれが重要な役割を担っていますが、その相互作用をうまく調整することは容易なことではありません。PLM、ERP、MESのインテグレーション以外、要件の変化、市場の要求の絶え間ない変化、設計や製造上の誤りなどにより、製品の開発や生産全体で発生する絶えざる変化に対処する方法はありません。

 これらの3つがインテグレーションされている場合 (手動でリンクまたは接続されているだけでなく) 、各ソリューションのユーザーは他方の2者からのオンデマンドで検証された情報を必要とします。それは単なる費用対効果の問題ではありません;すなわち、今日急速に進化する市場と技術の動向を考えると、ユーザーや意思決定者が遅れずについて行ける方法は他にありません。インテグレーション問題の解決の困難さは、製品の変更などのプロセスをサポートするためのインテグレーションツールが不十分であることがしばしば原因です。適切に管理されたビジネスオペレーションでは、企業並びに関連企業全体 (extended enterprise) で使用しているすべての製品開発ツールで情報を適切に共有する必要があります。

 残念なことに、間違った方向に導かれた認識が途方もないことになります。PLM、ERP、およびMESのユーザーは、それぞれ異なる製品開発の視点を持っているさまざまなバックグラウンドから来ています。ユーザーはお互いのプロセスとデータのニーズを常に理解しているわけではありません。ユーザーはしばしばPLM、ERP、およびMESを結び付ける組織全体の価値を過小評価しています。

 インテグレーションに最も複雑な製品関連のデータは、PLMを使用して管理するのが最適です。これは今日の新製品の開発およびエンドツーエンドのライフサイクル管理の中核となります。製品要件を満たすために必要なあらゆるステップを見えるようにし、意思決定者から変更や原価がます要因が隠されていないことを確実にする柔軟性を提供するのPLMのみです。

 CIMdataは、PLM、ERP、およびMESを組み合わせて完全な製品化実現戦略 (product realization strategy.)を実現するために必要な戦略を説明するための必要なスキルと経験を有しています。これは、この記事のベースとなる私 (John MacKrell,) のLeadership ウェビナー “Creating Value When PLM and ERP Work Together (PLMとERPが連携して価値を創造する) ” のテーマでした。

問題点 (Pain Points) と隠れたコスト

 PLM、ERP、およびMESのインテグレーションは、エンジニアリングと製造に於ける長期的な3つの問題点 (pain point) に対処します:

1) 製品定義情報内のトレーサビリティが不十分であるため、変更やその影響を “上流”  (すなわち、要件に戻す) および製造やサービスをサポートする “下流” に伝達することができない。お粗末なトレーサビリティのお粗末な結末は、余計・無用な再設計が’発生する。
2) あるソリューションから別のソリューションへのデータの再入力は、エラーが発生しやすく、面倒であり、しばしばリワークとスクラップ率が増加する。手動によるデータの再入力は基本的に価値を上げるものでなく、エラーの主な原因となる。自動化により、再タイピングを排除し、エラーのないデータ転送を提供します。
3) 不十分なPLM-ERP-MESの相互接続性により誤りを拡大し、製造に必要な製品変更の設計データを更新するために設計エンジニアに戻してない場合など、以前の設計上の失敗を隠すことになる。

 これまでの技術と同様に、良い結果は理解から始まり、あるいはその逆もありです。この常識的な現実にもかかわらず、ほぼすべての製品開発企業と製造業者がプロセス、サポート情報、変更がそれらの間でどのように共有されているか、つまりそれらがどのようにインテグレーションされて更新されるのかをあまり考慮することなくPLM、ERP、およびMESを使用しています。この無視は、企業のイノベーティブな能力とその収益性を損なうものです。

 PLM、ERP、およびMESという用語がそれについて何であるかの配慮に欠けて論じられているので、何を論じているのかを明確にしましょう。(*.1)  これらの3つのソリューションは、製品のアイデアや要件を具体的に示している点で多くの類似点を持っています。効果的な製品実現 (effective product realization) は、それらのインテグレーションに大きく依存します。

 PLMは戦略であり、製品の概念、設計、製造、サービス、および終焉までのライフサイクル全体を管理するための戦略的なビジネスイネーブラーです;つまり、これを行うために、PLMは人、プロセス、テクノロジーをインテグレーションします。PLMは、製品が構想され展開される際に必要とされる迅速で絶え間ない変更をサポートするプラットフォームを提供します。

 ERPは、収益性の高い製品を市場に投入するためのプラットフォームです。購入注文や給与取引などの多くのBOM (部品表) にあるトランザクションデータに基づいて生産計画の実行を支援し、ERPは、生産計画の実行を支援し、生産施設が必要な時に必要なリソースを確保し、すべてのコストを見えるようにします。

 MESは、生産オペレーションの主要なダッシュボードとして、生産を集中化、コントロール、そしてモニターする生産を中心としたソリューションです。

 PLM、ERP、およびMESの詳細な説明は、末尾の「PLM、ERP、およびMESの定義と説明」を参照してください。

「接続 (Connected) 」から融合・統合 (Integrated) へ

 起源・発祥、アーキテクチャー、ユーザーなどで多くの相違があるため、PLM、ERP、MESは、製品実現戦略の中核であるよりも、スタンドアロンソリューションと見なされることは意外ではありません。もちろん三つすべてがつながっていますが、それらの連結は、マニュアルすぎて、よく理解されてなく、文書化が不十分で、変更の進み具合に悪影響を与える可能性があります。さらに、それの機能の一部がオーバーラップし、混乱を招いています。

20181107 CIMdata PLM ERP OL w600


PLMとERPは、仮想製品と物理製品の定義それぞれサポートする

20181107 CIMdata PLM ERP MES w600


多くの機能はPLMまたはERPまたはMESによって提供可能

 それらをインテグレーションするための重要なやりとりに一つの媒体があります - つまりBOI (bill of information) です。BOIの概念は、製品を定義するすべてのデータが構造化され、インテグレーションされた “論理的な” リポジトリに入れられていることです (必ずしも単一のデータベースであることは必要ない) 。BOIには、設計、製造、製品サポート、その他数多くの活動に必要なBOMのすべて含まれています。BOIには、数多くのユーザー、属性、アイテム、ビュー、および用途があります。部品表 (bills of materials) に馴染みのない読者は、末尾の “Using the BOI to integrate PLM, ERP, and MES.” を参照ください。

 製品実現の過程で変化のペースが上昇し続けているため、インテグレーションされていないスタンドアロンのPLM-ERP-MESの現状は破綻をきたしています。これに対処するために、CIMdataは慎重に計画された4段階のインテグレーションのアプローチを推奨しています

1) 各企業がサポートするワークプロセス、必要なデータ、それらインターフェイス、データの出所、オーバーラップ、各ソリューションのユーザーが必要とするものなど含み、PLM、ERP、MESの企業における多様な役割を誰もが理解する。
2) プロセスとプロセスデータの所有者とそれらの責任を明確に定義する。
3) 製品実現プロセス全体を通じて発生する必然的な変化に柔軟に対応する。
4) データのセキュリティを確保する、しかし人々やツールセットによる適切なアクセスを可能にし、時間の経過とともに情報が動的に変化することを認識する。

現状と既存のアプローチ

 その場しのぎの部分的なインテグレーションを進めることでよくある救済的対処方法は、一時的なプロセスの解決方法やカスタマイズです。多くの理由でどちらもうまくいきません。一時的なプロセスの解決方法は、つなげる際のよくある最初の試みです。これらはしばしば重要なデータがつなげらず、一方ではトレーサビリティと検証を犠牲にして無駄な検索の遅延を付け加えています。

 カスタマイズは、トレーサビリティと検証を困難にする古くなったPLM、ERP、MES実装に新しいコードを書き加えます。カスタマイズは、情報の種類とプロセス定義の根本的な違いによって失敗になり得ます。さらに、基盤となるツールセットまたはプラットフォームが更新されるたびに、カスタムコードのすべてのラインを調べ、頻繁に書き換えて再テストする必要があります。カスタマイズは、通常は良いアイデアではなく、カスタマイズが目に見える形で、そうでなければ達成可能な立証されたビジネス上のベネフィットを提供できる場合のみにすべきです。

 一方ではいくつかの必要な機能が、現在市販されているプラグインで既に利用可能です。決して完璧でないものの、プラグインのコストは低く、インストールが簡単で、コードはテストされており、サプライヤによってサポートされています。A perceptive ConnectPressの記事 (*.2) では、多くのERP-PLM-MESインテグレーションのソリューションを取り上げています。しかし、すべてがツールセットやプラットフォーム固有のものであり、効果的な製品実現戦略を構築することを望んでいる組織を挫折させる可能性があります。

 ConnectPressの記事では、最近のバージョンのPLM、ERP、それほどの段階でもないMESソリューションも、インテグレーションを簡素化する連携 (linkages) や拡張機能を提供していると述べています。旧いのバージョンは、ライバルの製品とともに、それらツールを使用して応えることができます。

PLM、ERP、およびMESの統合の利益・効果

 PLM、ERP、およびMESソリューションのインテグレーションのおおよそな利益・効果 (Benefit) は、ユーザー、ビジネスユニット、および企業全体の利益で満ち溢れています。より高水準な収益と利益は、品質が高く、コストが低く、競争の激しい市場に迅速に届けられるイノベーティブな製品の開発を強化することで実現します。これらの利益・効果は市場の存在感を高め、必ず収益向上のプラス要因となります。

 過度にコストを押し上げることなく、製品の数と品種を増やすことで、最終的な収益が向上します。これは、広範な設計データの再利用で達成するもので既存の製品をイノベーティブで多様なものに変えることが容易になります。

 検索やデータの再作成で消費される希少なリソースにかかる負荷が軽減されます。これは、PLM-ERP-MESのインテグレーションにより、妥当性が確認された検証済み製品設計と生産データをアクセス可能にするBOIリポジトリの形態で本当の意味での単一情報源 (single source of truth) が作成されるためです。多くの種類の情報をインテグレーションすることでwhat-ifの探索が促進されます。すなわち、より良い意思決定が促進されます。

 評価基準 (metrics) 、製品要件、定義、およびそれらの連携 (linkages) での完全なエンドツーエンドのトレーサビリティも向上します。影響分析が簡素化され、スピードアップされます。法令遵守や持続可能性のためにより迅速なレポート制作や監査証跡の改善となります。バージョン、リビジョン、コンフィグレーションの管理はよりわかりやく簡単にになります。許可されていない “一夜” にしての変更 (Unauthorized “midnight” changes) も容易に明るみに出るでしょう。

 自動化には大きな利益があります - つまり変更の確実なモニタリング、新しいワークフローを取り入れる能力、そしてより成功ある継続的な改善プロジェクトはほんの一例です。BOI (Bill of Information) に連動したPLM、ERP、およびMESの自動化では、プロセス定義を実施する、リソースの探し出して割り当てる、顧客とサプライヤーとの情報の共有を進め、そしてワークフローのグローバルな調整が可能です。

脚注:
(*.1) “Contrasting PLM, ERP, and MES: Support for the Entire Product Creation Process,” CIMdata white paper, November 2013. The white paper focuses on explaining the fundamental differences in the three solutions and the benefits of integrating them. It details the origins of PLM, ERP, and MES and illustrates a few of the reasons integrating them has been so challenging. The white paper also details PLM-ERP- MES best practices (pages 28-30).
(*.2) John Myers, “The GAP Between PLM and ERP Narrows with New Partnerships,” ConnectPress, October 2017. 
http://www.plmconnections.com/feature_full.php?read=1&cpfeatureid=112329&page=all

PLM、ERP、およびMESの定義と説明

 製品ライフサイクル管理 (PLM) は、製品の生産計画を通して、そしてインサービスや製品ライフサイクルへと、製品ライフサイクルのさまざまな側面での設計と開発・展開に焦点をあてています。それは製品のプロセス、製品要件の定義と管理、ドキュメンテーション、仕様、そしてイノベーションをサポートします。メンテナンス、フィールドサービス、製品が顧客の手元に置かれた後の利用・使用に関する上のサポートされます。PLMユーザーは新製品を創造し、各製品のライフサイクルをトラッキングするため、PLMは企業並びのその関連企業全体の最適な製品実現プラットフォームです。

 PLMに関する最も広く受け入れられている説明・記述は、製品のライフサイクル全体を、構想から設計と製造、サービスおよび製品寿命まで管理するための戦略です。PLMは、人々、データ、プロセス、そしてビジネスシステムをインテグレーションする製品情報のバックボーンでもあります。PLMはまた、製品イノベーションプラットフォーム内の組織の知的資産を管理します。

20181107 CIMdta PLM Model w400


CIMdataの製品革新プラットフォームモデル

 エンタープライズリソースプランニング (ERP - 企業資産計画) は、生産、スケジューリング、材料、資金・財務に不可欠なデータ・情報を管理します。ERPの起源は製造業における事業の財務管理にあります。必要に応じてすべてのリソースを利用できるようにします。ERPの最大のデータソースはPLMです:つまりこれらのインテグレーションのための説得力ある議論です。

 ERPは、BOI (Bill of Information ) を構成する多くのBOM (Bills of Material) に含まれているトランザクションデータに基づいています。BOMのトランザクションデータは、受注から出荷までの注文をトラッキングします。あらゆる注文は、その材料、コンポーネント、および生産プロセスに関連付けられています。この関連付けにより、注文、エフェクティビティ (日付、ステータス、コンフィグレーション) 、購入、スケジュール、在庫、ロジスティクスなどのすべて変更のコストのみならずあらん限りの生産ステップを可視化します。

 ERPは収益について請求書から現金領収までトラッキングし、売上予測と実際の注文を比較します。事業業績に関する経営管理上の意思決定は、主にERPから集められた見識・洞察に基づいています。ERPは、通常、人的資源のデータと財務の債務と債権に、また企業レベルではサプライチェーンとCRMにリンクしています。

 MESは、製品定義、組立指示書&プロセスプラン、工場の実績データに伴うオーダー&生産スケジュール、検査、品質保障をトラッキングします。MESは、何らかの原因による変化を特定し、その影響をトラッキングし生産の最適化に重点を置いています。

 工場現場でのMESの起源は、プログラマブルロジックコントローラ (PLC) の管理やCAM  (computer-aided manufacturing) の管理やリーン生産、シックスシグマ、ジャストインタイムなどにあります。

BOIを使用してPLM、ERP、およびMESを統合

 PLMソリューションのユーザーは、変更とその影響を評価・査定して実装できるように、製品のコンフィグレーションを慎重に管理する必要があります。BOIは、設計者、製造計画担当者、購買担当者、フィールドサポートなど、製品の機能的なビューを詳細に示すマルチレイヤーの構造になっています。

 各BOIは、関連するCADファイル、ドキュメント、およびメタデータを使用して、製品とそのプロセスに関する (必要なものがそろっている) 情報の完全なリポジトリです。BOIは、上流、下流、およびコンフィグレーションなどあらゆる種類のデータ間でリンクを提供します;つまり、これらは通常ERPにはありません。BOIには、製品の完全なバーチャル定義が入っています。

 エンジニアリングBOMまたはEBOMは、製品すべてのコンフィグレーションを維持し、製品すべてのバリエーション、すべての代替の製造方法、および関連製品ごとに変更を直接評価・査定および実装することができます。EBOMは製品設計と製造エンジニアリングをサポートし、重量やコストなどの属性をロールアップするために使用されます。コンフィグレーションとトレーサビリティをサポートするために必要なEBOMリンクは、すべてのPLMソリューションに含まれていますが、ERPではめったに見られません。

 製造BOMまたはMBOMは、EBOMを固有の製品を製造するために必要となる特定のコンフィグレーションへと変換するものです。それは、購買や物流を含む製造および関連業務における計画と実行をドライブするものです。組織の製造プロセスが異なる場合 (たとえば、複数の工場にまたがっている) 、複数のMBOMが必要となります。

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